立場茶屋おりき24 幸せのかたち 今井絵美子
葉桜の頃 多摩も花売り三郎が来る。二人目の子・おりんを背負っておえんが山に入って花を取ってくる。
三婆の宴が復活する。世代が変わり、お庸と弥生と七海の息子・金一郎の嫁の久野になった。
お吉と潤三が京へ旅立った。お吉の双子の絵師になった三吉が京で筆屋の娘・琴音と祝言を挙げるので祝いに行った。
十一 八文屋に浅蜊を売りに来た少年・十一15才が倒れた。おさわは素庵のところに連れていく。
真田屋のこずえと同じ病だと知り、先が永くないことを知る。おさわは、陸郎の看病が出来なかった変わりに十一の看病をしようとする。小康状態になったので八文屋に連れ帰る。
幸せのかたち 茶屋の女中頭・およね亡き後、おくめが女中頭的な存在になっていた。おなみはお春を注意した。おくめはおなみにそれは自分の役目だと言った。おなみはおくめが見ていないから自分が注意したのだという。おりきは二人に、二人で力を合わせて茶屋を守り立ててほしいといった。
おなみに縁談があった。昔好きだった男だった。おかみさんが亡くなりおかみさんを忘れられないが、小さな子供のためにおなみなら来るだろうという男の考えだった。おなみはもう昔のおなみではない。立場茶屋おりきのおなみだ。行かないと言いきった。
潤三が独り帰ってきた。おきちは京から帰りたがらなかった。
幾千代は幾富士の所に行く。伊織が幾富士に頼りきり、幾富士も世話をするために生まれてきたような顔をしていたという。
河鹿宿 妙国寺の住持から一人娘・里実17才を預かって欲しいと頼まれる。調べてみると、先代おりきの孫娘だった。先代おりきが追い出された庄屋のおりきが産んだ息子・國哉が手を付け、手切れ金を渡し縁をきらされた娘・里江が産まれたばかりの里実を抱いて尼寺に保護されるが、里江は半年で亡くなる。亡くなる前に父親は生麦村の中庄屋白金屋の旦那だと言い残した。生まれたことを國哉は知らない。里実は恵心尼に育てられた。恵心尼は73才で、鎌倉の英勝寺に引き取られることになっていた。達吉は里実を迎えに行く。達吉は先代おりきに恋い焦がれていた、生涯の思い人。老いた達吉にこの娘を支える使命ができた。
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