こはだの鮓 北原亜以子
楽したい 上州の山陰の村の男・夏三。13才の時、江戸に出て裏通りの金物屋の入り婿になった小作人の三男が帰って来たのを見て、江戸に憧れる。23才の時、江戸に出る。塩売りをして、女に言い寄られる飛脚を見、飛脚になる。言い寄られはずが、女に手を出す飛脚はおまえかと怒鳴られ、殴られる。今は蕎麦屋の出前をしている。そして大阪に行きたいと思っている。金持ちの入り婿になる夢を見て。
こはだの鮓 作兵衛は鮓売りの与七から売れ残ったこはだの鮓を貰った。うれしくてしょうがない。一個食べ、二個食べ、作業をしながら食べる。
姉妹 祇王、祇女、仏御前三人がおまろに語りかける。入道のお気に入りの祇王、妹の祇女、祇王の座を奪った仏御前、誰かに座を奪われ、三人が尼になる。胸の内をおまろに話す。
十一月の花火 椅子職人の芳次郎、妻・ふみ、息子・洋一 漫画家になりたいと言ったが椅子職人になっている。妻・ゆう子 晶子を産んだばかりだ。洋一に召集令状が来、戦地に行く。洋一は自分の命と引き換えに子供を助けてくれと祈っていた。帰れないと思うから絵を描いた手紙を送ってきた。変亥之と言われた職人のふみの父親は自分の作った硯箱が値打ちがないようにあしらわれているのを見た。大通りを渡ろうとしてトラックに跳ねられた。焼夷弾を落とされて燃えてきている。成田に疎開するという。芳次郎は反りの合わぬ時代へ足を踏み入れるような気がした。
たき火(本所界隈1)澄の父親・弥吉は職人気質の瓦職人だった。たちんぼの義一を手伝いに使っていた。澄は義一が好きだった。中学中退だが、たちんぼだから好きだと知られたくなかった。義一の結婚が決まった。相手は反対されたが、たまたま知り合った時、たちんぼだっただけと言ったそうだ。頭を殴られたような衝撃を受けた。
泥鰌 (本所界隈2)中学に行きたかったが、勇は家族のために奉公に出た。薮入りで帰ってみると小さな子がいた。可哀想で見ちゃ居れなかった。一年預かることになっているがもらってしまいたいという。
ママは知らなかったのよ 団地に住む家族。息子・幹男は付属を受けると言う。構っていないと言いながら、子供の全てを知っている。気になっている母親。幹男は女学生にお金を落とした。どこどこまで歩いて行くと言い、バス代を貰っていた。女学生の内で有名になっていた。
新撰組、流山へ 近藤勇は何故、流山で捕まったのか。
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