百万石の留守居役〈七〉 貸借 上田秀人
会津の留守居役は瀬能数馬が作った貸しを嫌がり、高飛車に出たため借りが増えた。隠居した元留守居役・栄井田が出て来て、加賀藩にもたらした情報は先代将軍家綱の御廟拡張のお手伝い普請だった。元加賀藩留守居役・現老中堀田備中守の留守居役・小沢兵衛が加賀以外の外様の留守居役と会い、作事奉行との間を取り持つと言って廻っているということだった。
数馬は小沢が外様の留守居役と会っている内容を調べるために、会う口実に、妾が決まったと佐奈を連れて小沢の妾宅へ行った。数馬の妾は自分が送り込みたいと思っていたので佐奈に傷をつけようとするが、みんなやられてしまう。頼まれ事を失敗した武田法玄は佐奈に第二段を送り込むが、石動庫之介と共に倒した。武田二十四将という。三人倒し、後二十一将か。
数馬は次ぎの参勤交代で国許に戻ることになった。慌てて、近隣組の留守居役を集めて顔見せをし、参勤に付いて参る知らせの会を開いた。
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