2017年5月26日金曜日

中條流不動剣〈五〉 

中條流不動剣〈五〉 御前試合、暗転 牧秀彦
 家斉の声掛りで御前試合が行なわれることになった。塩谷隼人が名指しで出場し、村垣範行と決勝を争った。村垣と隼人は旗本のならず者を懲らしめるために選ばれた。柳生家と家斉の考えで、旗本のならず者を御前試合に出し、負けた遺恨を晴らそうと暴挙に及んだ現場を柳生父子に拘束され御目付けに引き渡す。親元に帰し、内々に厳しく罰するという予定だった。予定通り、事は進んだ。
 塩谷隼人は尼崎藩の家老に帰り、桜井松平家は関東異国警固番役に付くようにと命じられた。桜井松平家は大目付衆から疎んじられていた。家斉は塩谷がいれば大丈夫と言う。
 断るために老中に賄賂を贈ろうとお金を集つめる。米相場・・を考えた時、勘定方が換金した金を持ち逃げした。
 塩谷隼人は一人、柳生家に殴り込む。最後に他流試合をしない柳生新陰流と立ち合いたい。と言う思いと、殴り込み倒されれば塩谷のいない尼崎藩に関東異国警固の役は廻らないと言う考えだった。日比野左内と茜も柳生家に走る。隼人は柳生俊則と立ち合う。俊則は家斉に会い、塩谷や松平遠江守もまだまだひよっこ、大任を全うし得る力がつくまで猶予を与えてはいかが。と進言する。その日の午後関東異国警固番役は白紙になった。
 「海ねこ」にいる琴の元亭主・相模屋徳三が塩谷の長屋を千両で買い取った。隼人は江戸家老に付いた。狩野武兵衛は持ち逃げした勘定方を捕らえるために旅立った。柴崎条太郎を用人に推挙した。左内も手伝うようだ。

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