QED⑬ 河童伝説 高田崇史
桑原崇は電車に乗り遅れ、棚旗姉妹と小松原に合流出来ず、新幹線に乗れば寝過ぎで新花巻まで行ってしまい、遠野の海妖房に行くことにした。海妖坊と呼ばれている八十才くらいの老人と河童の話をする。崇は高校三年からの付き合いだ。
三人は相馬の甲冑競馬や神旗争奪戦を見る。奈々の友人の彼だった亘理と会い、小高製薬の社員の特等席で見ることが出来た。岩沼仁常務取締役、中村寿之部長、中村のフィアンセ・秋野美恵子を紹介される。安岡の話になる。
安岡の弟・昭二が禮子の家の近所の川で左手首を切られて亡くなっているのが発見されていた。同じ強羅川で兄・良一が左腕切断で見付かった。良一が揉めていた直泉製薬のMR小森が行方不明だった。
夜、祟は三人と合流する。神山禮子は自分の廻りで起こる、知人の死を御名形史紋に相談する。史紋は毒殺だろうと言い、六種ぐらいの毒を挙げられるという。
小森が茨城県と福島県の境を流れる川で見付かった。自殺かと思われた。
相馬の駒曳川で秋野美恵子の遺体が見付かる。中村は怪我をした後輩に替わり神事に出るために別行動をしていた。中村のところに来た岩沼と亘理の話から、美恵子を殺したのが岩沼だと分かった中村は甲冑姿の本刀で岩沼を殺し、自分の首を斬る。
富岡大学付属病院の外科部長・坂元と亘理の臨床検査データーの八割の捏造、それに纏る金銭授受、そんな話を禮子の廻りに纏わり付いていた昭二が聞いていたように思われ殺された。近所をうろつく兄は筋弛緩剤を使い殺した。小藤は亘理がしていることの仲間に入れろと言ってきたために殺し、出雲川に捨てた。夜、二人が話している時に美恵子が通りかかった。聞かれたと思い口封じに首を絞めた。
小高製薬の三人は異分子だった。仕事が出来独立を考えていた。それらは社長が、岩沼が中村を追い出すための謀だった。社長は中村が岩沼を殺したことを聞いて、予想以上の収穫だと思った。
河童の欲しがるものは、昔川衆が取り上げられた物なのだ。
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