2017年5月6日土曜日

ゆめ姫事件帖④ 恋文

ゆめ姫事件帖④ 恋文 和田はつ子
 ゆめ姫が亀乃の夢を解く 信二郎の母、側用人池本方忠の妻・亀乃。ふくれまんじゅうで思い出す伊太郎の夢を見た。生きているような気がする。と言うが、伊太郎の養い親阿蘭陀屋の療で子供たちは殺されていた。伊太郎たちが犠牲になって助けた久作が料理屋の主人として大阪から帰ってきた。店を出そうと買った土地が阿蘭陀屋の療だった。ゆめ姫に教えられ裏庭から子供たちの骨を取り出し墓を作る。
 方忠と亀乃は本来なら池本家の次男として暮らしている筈の信二郎が勾引かされ町方与力になっているのが可愛そうで、八千石の旗本の養子縁組みを進める。信二郎は断る。側用人が持ってきた話を断ることは出来ないが、親だから断れるという。
 ゆめ姫は夢治療を始める 八丁堀岡崎町玉圓寺の北の仕舞屋に「夢治療処」の看板を上げた。藤尾が持っていた信玄袋の元の持ち主、両替商池田屋の亡くなった娘・志まが現れる。信二郎とゆめ姫は町人の格好で墓に行き、信玄袋の縫い込みに入っている役者・雪之助からの手紙を読み上げ墓の中かに埋める。同じ墓地で、自分の墓ではないので本当の仁助を探して欲しいと言う、大村崎右衛門の霊と会った。仁助は雷が落ちて誰だか分からなくなっていた大村崎を自分の身代わりにしていた。仁助は大村崎がいた廃寺で暮らしていた。ゆめ姫は、瓶に集めた虫は薬だから、始めはみんなに使って貰い、効くことが分かってから売るようにという大村崎の伝言を伝える。
 ゆめ姫が熟柿探しに奔走する ゆめ姫は塩梅屋の熟柿を父・家斉のために手に入れようとおきくの夢治療をする。父親の友人の娘・かよは一年半前に階段から落ちて亡くなっている。かよが、苦しそうな顔でお腹を押さえて痛い、痛いと夢に出てくると言う。かよは身ごもっていた。火消しの辰造の子供だ。かよのような娘が四人いた。辰造が殺された。辰造に遊ばれた娘の弟が犯人だった。おき玖に治療を終えたのでもうおかよさんは現れないと伝えた。家斉は熟柿を食べた。
 ゆめ姫と信二郎 信二郎が悪霊に祟られて熱病に罹った。生きて人を殺めるならこのままで良いと眠っている。

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