QED ⑭ 九段坂の春 高田崇史
九段坂の春 桑原崇・九段坂中学二年 の同級生・鴨志田翔一は桑原崇と別れた後、木にもたれ翔一に桜の花びらを持った手を差し出しながら死んで行く男・落合光弘と遭遇する。
落合光弘は一年前、妻を亡くしていた。妻・康美は金沢の小児科の学会に出席し、帰った日に家の中を荒らされ頭を強打して亡くなっていた。光弘が疑われたが、神戸に出帳していた。康美は飛行機を使わず、片道七時間以上かけて往復し、高崎で医療記念館に立ち寄っていた。刑事・岩築竹松31才は、康美の替玉、光弘の無理やり出張、光弘の弟・五十嵐哲也の関与を疑うが決め手は無かった。行きずりの強盗殺人と思われている。今回の光弘の死は、酔っぱらって桜の木にもたれ掛かり、枝が首に刺さってしまった事故と思われた。
崇は翔一は自分と間違われていたと思う。光弘は桜の花びらを崇に見せたのだと思う。崇に五十嵐弥生・桜月弥生を示したと思う。五十嵐弥生は中学校の理科の先生だ。和歌集などの行間からいろいろ考えることを教えてくれた人だった。この春、夫と子供と供に和歌山に帰った。初恋終わり
北鎌倉の夏 棚橋奈々 雪の下女学院高等部一年、BF・鎌倉湘南大学付属高校二年・空手部・須藤真司は同級生・上田壮が鎌倉宮の宝物殿の資料を見たいために忍び込もうとしているのをこっそり付いてゆき、管理人・五十嵐勝と遭遇し、空手の寸止めをしたために五十嵐勝が心臓発作を起こして亡くなったようだ。須藤は奈々にキスをし、事件の原因を作ったとして警察に名乗り出るだろうといい残す。
浅草寺の秋 浅草寺の裏の公園で抱き合ったまま死んでいる男女の遺体が見付かった。警部補になったばかりの岩築竹松35才に服毒心中の連絡が入った。
盟邦大学文学部社会学科一年・空手部一年生・小松崎良平が高三の試合前に怪我をした時に、試合に出るよう励ましてくれた一年下の江川優里が、姉・奈緒美が心中したと言ってきた。姉は違う人と付き合っていたという。
鴨志田翔一・真土山高校三年は心中事件があった公園で出雲谷(遠野で骨董店「海妖房」をしている)と出合い、待乳山聖天、庚申塚等の話を聞く。出雲谷は小松崎の先輩・八谷達也を見て、昨夜、心中事件の公園にいた男だと言う。認めない八谷だったがバックルに出雲谷の指紋が付いているという指摘される。逃げる八谷を小松崎の右中段突きが八谷の鳩尾に決まり止める。
優里が紹介した八谷が、奈緒美と付き合い始めた。奈緒美は佐藤と付き合っていた。佐藤は毒を飲み、奈緒美に抱きつき口付けをした。その場から八谷は逃げた。優里は八谷からすべて聞いていた。優里は八谷が好きだった。小松崎は優里とさよならした。
那智滝の冬 福森麗奈は海岸で船の中で亡手も足も真っ赤に腫らした遺体を発見する。深影佳勝だった。麗奈親子と麗奈の従兄・御名形史紋は麗奈親子の友達・五十嵐家にお邪魔する。五十嵐弥生と娘・彩子が東京から帰ってきて十年になる。父親は二年前、自動車事故で亡くなった。話は、深影佳勝、橋立(神山)禮子の話が出る。
史紋は一人で五十嵐家を訪れ、佳勝を殺したことを暴く。毒は服毒してから三、四日してから効く毒を使用していること。弥生は鎌倉の五十嵐勝の法事に行ってアリバイを作ったこと。用心していたが、史紋は毒を盛られ眠ってしまう。史紋があらわれることを判っていた弥生はすべてを彩子に話し、彩子と共に奈良の月修寺に行くという。佳勝は弥生と彩子を愛人にするために、弥生の夫を殺していた。
警視庁捜査一課警部・岩築竹松のところに、十年前桜の枝に刺さって亡くなった男を突き飛ばした女性を見たという目撃者が現れた。鎌倉でその女性を見た。名前は五十嵐だったという情報だった。彩子は光弘の子供だった。弥生に子供が出来たことを知ると、光弘は逃げた。弟・徹也と結婚した。東京で再開した光弘は子供に合わせろと言う。それを知った光弘の妻・康美と揉め、振り払った時に康美は頭をぶつけ亡くなった。弥生が康美に成り代わり学会にでたのだった。岩築は和歌山にいくつもりだ。
御名形史紋・紀伊和歌山大学大学院生の母親は御名形クリス(イギリス人)という毒草の専門家
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