遠縁の女 青山文平
機織る武家 武井の家に養子に入った由人の妻、が亡くなり後妻に入った縫。縫の実家は川の氾濫で無くなった。居場所の無い縫が、親戚と縁を切った武井家のために機を織る。気位の高かった義母・久に介護が必要になった時、由人は世話になった人だからと致仕し、久の介護をする。腕の良い縫はどんどん機を織り、自分の居場所が出来た。
沼尻新田 新田開発の話があり、柴山和巳は土地を見に行った。松林で松葉掻きをしている娘に出会う。和巳は全ての枠を開墾することにした。親類衆に労働力、資金を提供してもらい、収穫を配分する形にした。永年年貢免除になる。柴山家一統の中與の祖と呼ばれる。新田の初代領主になりクロマツ林を御留林にした。娘が松掻きを続けられるように。
遠縁の女 片倉隆明は、剣が好きだが得手ではない剣、不得手ではないが好きでもない学問、隆明は御徒頭の父から武者修行を奨められ、出発した。五年になり父が亡くなったことを知らされて帰った。学問所で優秀だった誠二郎が、右筆の娘・信江と一緒になり、右筆の義父と切腹していた。隆明は信江がいる隣藩の商家に会いに行き、話を聞く。御主法替えの準備が始まった頃、隆明が組に入らないように父は武者修行に出した。人望がなかった右筆は人望のある隆明と組みたかった。父は失敗しそうな組に入れたくなかったのだ。全てを知った時、家禄を返上した。一つだけ大事なもの信江だった。
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