2017年6月7日水曜日

あやかしとおばんざい〈2〉

あやかしとおばんざい〈2〉 完 仲町六絵
 山野直文・まどか双子の兄妹はブログで「ふたごの京都妖怪ごはん日記」であやかしたちを物語に書き、挿し絵をつけて掲載している。読まれることによってあやかしたちの命を長らえさせることが「語り手」の仕事だ。お礼に食べ物を貰っている。
 きのこの舞姫 東大路でヤナギマツタケをとっている時、西日本で増えている毒きのこを制御するためにベニタケ明神が菌(くさびら)神社で英気を養っていることを聞く。ベニタケ明神はカエンタケが増えすぎないうちにオオゴムタケに似た新種を作るという。直文はきのこの物語を書く事になった。泉鏡花が書いたのは「茸の舞姫」「くさびら」
 直文の同級生・大塚信助と、今出川通りを東に行った吉田山の向かいの「からくさ図書館」に行く。館長と滋野に合う。館長はククリ姫が化けているうさぎにウィンクした。お互い現世の存在ではないと分かっているという合図。
 花送が、咲きたかったと未練を残した花々の魂の花を鴨川の川べりで花器に生ける。人目に触れさせてはなの未練を晴らす。花送は「からくさ図書館」を知っていた。花送は草木有情庁の冥官とつながりがある。草木有情庁は草木動物の魂の循環を司る。人間の魂の循環を司るのが閻魔庁だという。二人は閻魔庁の冥官だ。
 直文とまどかとくくり姫は花送のゲストハウスの従業員の狸の案内で夜中の吉田山に行く。茜と時子、安倍晴明と篁が蹴鞠装束の鞠水干と鞠袴で蹴鞠の練習中だった。人数が足りず仲間に入る。くくり姫も少女姿で。アリ、ヤアと落とさぬよう蹴り続ける。きのこの物語のヒントを貰う。
 直文は「きのこの神様」で、きのこの神様に頼まれて、新しいきのこのために、生える場所が確保できるように蹴鞠を頑張る村人の話しを書いた。きのこがいっぱい殖えてくさびら神社にちいさな宝物殿ができた話を児童向きに書いた。まどかは蹴鞠をする神主を書いた。
 ベニタケ明神から各種のきのこが届き、阿部晴明から、良い与祝をする者にと「吉野の柿酒」が届いた。
 狸怖いか、可愛いか 四国から少女の狸・讃岐小春が、子どもも楽しめる狸のはなしを書いて欲しいとやってくる。大学の江戸文化史の岩下教授から烏丸御池を北に上がった児童書専門店を紹介される。「子と古都ブックス」。岩下教授は、狸は正体がばれたら死ぬ。とおもっている。岩下教授が小学生の頃、狸が化ける練習をしているという岩場に何度も見に行った。そこで二匹の老いた狸が死んでいるのが見付かったため、自分たちが見に行ったために狸が死んだのではないかと思ってしまったらしい。直文は狸は正体がばれたぐらいでは死なないをテーマに「わが輩は狸である」でいろんな狸の話を書いた。まどかは狸の絵を書く。鏡花は怖いイメージにという依頼で「狸囃子」(から「陽炎座」に変更)を書いた。
 讃岐からみかんの蜂蜜を貰う。狸が養蜂をしている。岩下教授の研究室に「一族の若い者が世話になりました。讃岐」と葉っぱの手紙入りのみかんが届けられた。
 龍の子を祝う 大塚信助が「月刊 小説風雲」で新人賞の佳作に選ばれる。
 鏡花が「海神別荘」を書き、一緒になれた、和歌山の海龍・ウシオと琵琶湖の龍・ビワノそして生まれた息子・シズク5。三人がゲストハウス「花送」に来る。シズクはまだ深く潜れない。シズクの友達のイルカがシズクに見せたい物があると海底に誘う。ウシオがきつく許さん!と言った所為かシズクが人間の言葉をしゃべれなくなった。子どもが元気でいられる話を書こうと思う。「からくさ図書館」でヒントを貰う。金沢のころころ餅。父親が書いた二人の生まれた時のホームページを見る。与祝だった。
 新宮に行く。神倉神社に行く。ウシオとククリ姫に魂だけ海中に連れて行かれる。イルカがシズクの代わりにウシオを見せたい物に案内してくれる。千年以上前の難破船だった。
 直文は「船を助けた龍」を書いた。シズクという龍が徐福船団が風がなく困っている時に船を押し、東に流れる海流に乗れるようにした話。ビワノの読み聞かせでシズクは龍の名前シズクだって!と声が出た。物語の御礼とシズクの快気祝い、パエリア、牡蛎のアヒージャカニペーストのオープンサンド
 直文は卒業後の就職先に「子と古都ブックス」岩下教授つながりで京都の出版社ムラサキノ出版を紹介される。
 
ヒトヨタケの味噌汁
きゅうり、油揚げと会わせて葛粉入り吸い物・・・・・とうがんと同じか
賀茂トマト、すりおろして冷製すーぷ・・・・・・・・すりおろす、どうやって
 水気を切ったヨーグルトとオリーブオイルを載せる。
賀茂なす、輪切りにして焼き、味噌田楽
きのこのキッシュ〈山科茄子、ベーコン、タマネギ〉
トウモロコシのかき揚げ・・・・・・はねないか
栗の棹菓子
金沢おでん(香箱ガニの甲羅にカニの身、味噌、卵を詰めて蒸す)を入れる。

からくさ図書館のメンバーが登場したため頑張ってしまった。長くなった。

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