2017年6月9日金曜日

QED ⑮諏訪の神霊

QED ⑮諏訪の神霊 高田崇史
 1998年、棚旗奈々は桑原崇に諏訪の御柱祭に誘われる。崇は祭りの本質を探りに行く。
緑川由紀子と百瀬麻紀、崇の中学の同級生・鴨志田翔一の五人で回る。鴨志田翔一は三重出身で「出賀茂神社」の息子、学芸員で国立歴史博物館にも勤めていた、今は諏訪の新聞記者をしている。三人は住んでいる所が同じ区画だった。
 三人が住んでいる月見ケ丘は今、事件が起こっていた。赤江初枝が主導権を持って家割りをしたようだ。藍木辰夫は御柱祭で亡くなった。栗山寅藏が燕沢家の庭で殺されていた。次に黛功司郎と燕沢義夫が栗山家の庭で殺された。黛は首が落とされていた。赤江初枝が腹部を刺され重傷を負った。入院していた赤江が殺された。
鴨志田翔一が犯人と思われる。病院付近で鴨志田が目撃されていた。
 謎が解けないまま帰ろうとしていた二人が、引き返してくる。崇は諏訪の御柱の謎も月見ケ丘の真相も判ったようだ。
月見ガ丘の一軒の家で鴨志田が首を吊った緑川由紀子を助け救急車で運ばれた。翔一の家で話を聞いている時、赤江の家が燃え、全部終わったといいながら百瀬麻紀は死んだ。小松崎が来ていた。
 御柱で亡くなった藍木は事故ではなく殺されていた。娘と付き合う藍木を、父親に頼まれて燕沢と刑事・溝口がちょっとタイミングをずらした。藍木と親しかった赤江と麻紀の共犯で復讐をした。西で白で、北が黒、南で赤、東で緑川、生贄だった。赤江は自殺しようとした。麻紀が頼まれたが殺しきれなかった。後で病院で殺した。由美子を殺そうとしたのも麻紀だった。鴨志田が助けた。
 諏訪の祭りは、ミシャグチ神の旧地から生贄を引きずり出され、坂を転げ落とされ、冷たい川に潜らされ、彼岸へ送り出す船にのる。頭に三角形の紙が付けられる。御柱は生贄で怨霊。
 崇の気になる言葉・・今までに自分の命よりも大切だと思っていた人を一人失っている。俺自身も死にかけたことがある。

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