2017年6月10日土曜日

QED⑯出雲神伝説 

QED⑯出雲神伝説 高田崇史
 墨坂のひき逃げ事故と、野川達夫のリゾートマンションでの密室での刀による八刀良子殺傷事件、残された幾何学模様が同じだった。出雲神流という団体の文様だという。事故現場では一個、リゾートマンションでは二個書かれていた。
「出雲の神々」という本を出している高校教師・雲居泰治の娘・麻也28才が行方不明になっていた。一週間後麻也は埋められ遺体で発見された。
 小松崎と中島智美が会いに行った野川が毒殺されていた。出雲神流の文様が三個書かれていた。
 崇と奈々が乗っているタクシーの運転手は事故で亡くなった墨坂の兄だった。占い師・稲瀬葵の所へ行くと彼女は自殺していた。警察と小松崎と崇たちは出会う。
 警察で五十嵐彩子を待っていたが来ない。崇は彩子の母親がいる月修寺の名前を出す。重要な事件関係者がいるかもしれないと言う。雲井泰治だった。
 墨坂がひき逃げされ名前を道路に書き込んだ。名前を書かれた野川が文様を上書きした。
 野川に誘われたと思って行った麻也は、弾みで良子を殺してしまった。麻也は飛び降り自殺をする。彩子が密室を作り、麻也のサインを例の文様に隠した。麻也の死体を運び埋めたのは彩子だった。麻也の生みの親・葵は野川を殺し、自殺した。雲井泰治が出雲は奈良にあったと言う墨坂と出雲生まれの良子たちを出雲神流などで煽っていた。文様は雲井の創作だった。
 相撲はもともと命がけで戦わされていた。『続日本記』の「天平六年734、(聖武)天皇観相撲戯」とあるのは日本各地の力の強そうな者を集めて自分たちの監視下に置くための試合。
出雲は元々奈良にあった。天皇家が追い出した。奈良の出雲は真ん中から侵略され南北に別れ細々と残っている。
 
出雲大遷宮 平成二十年 2008年
桑原崇と小松崎良平、カメラマンの中島智美の三人で出雲に行く。中島智美は奈々の同級生中島晴美の五つ年下の妹。小松崎は三年前に二才の子どものある女性と結婚したようだ。奈々の話がでない。どうなってるのか。
 出雲大社でみんなが拝んでいるのは、出雲大社がやってきて追い出された、素鵞社、素戔鳴尊だった。

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