2015年4月6日月曜日

みとや・お瑛仕入帖 

みとや・お瑛仕入帖 ご破算で願いましては 梶よう子
 瑛と長太郎は日本橋濱野屋小間物屋の娘と息子だったが、11才と17才の時、永代橋の事故で父母が亡くなり、借金の担保の店と屋敷を取られた。
 柳橋の料理茶屋の女将・加津の世話になっていたが、四ヶ月前、16才と22才になった二人は、濱野屋の元手代・益次の世話で三十八文屋『みとや』を出すことになった。
ご破算で願いましては 長太郎は算盤を仕入れてきた。侍の子・直之が店番をしてくれる。
直之の父・道之進は勘定方だったが、上役の息子の商人との癒着を道之進の所業とされ解役になっていた。濡れ衣は消えたが道之進は「みとや」の裏の長屋に住み、手習い塾を始めた。算盤が売れた。
 月に叢雲、花に風 武家の息女の守り刀を仕入れてくる。質屋が売り飛ばそうとしていた刀に、祟りがあるように話しをでっちあげ長太郎の手に入るようにした。元の持ち主に返った。
 我が待つ君 桐箱に入った恋の歌が書かれた五枚の皿。お瑛は一枚を割ってしまう。お瑛は入江家の中間・佐助に恋をする。
大名の姫・栄と中間・佐助の身分違いの恋。佐助が仕える留守居役の長男が姫に慕われていると思い違いをした。気鬱の病のために国許へ、佐助も一緒に行く。
 めんないちどり 二人の父親の煙草入れが手に入った。濱野屋の元番頭・忠兵衛の孫・幾松が、袋物屋の小僧をしくじった。本当のところ悪いのは、ねこを被っている店の放蕩娘なのだ。煙草入れを見た忠兵衛は益次の物になるはずの物だという。
 天神様を寝かせてござる 梅干し三升入りの壺を11本仕入れる。学問吟味が再開されるらしいので、梅干しあります。種をお守りに。と売り出すと、売り切れた。
益次が濱野屋を買い取り、濱野屋の看板を挙げるという。益次は二人の父親の妾腹の弟だったが奉公人扱いだった。
 化粧映え 板紅を仕入れる。化粧道具入れと化粧道具がセットされているものをお瑛は自分の物にした。お瑛に初めて化粧をしてくれたお駒は、益次の女将さんだった。
 濱野屋の借金は、益次に誘われ賭場に行き長太郎が作った物だった。益次は赤目の源五郎に騙され店を買う為のお金を巻き上げられた。お瑛は船を漕ぎ、益次を助け出す。益次は江戸十里四方所払いになる。源五郎は悪事が見付かり捕らえられた。
 お瑛は江戸を出るお駒に化粧道具をあげた。

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