2018年6月27日水曜日

流水浮木 最後の太刀

流水浮木 最後の太刀 青山文平
 山岡晋平は百人町大縄地に住む、鉄砲百人組の大久保伊賀同心、三十俵人二人扶持、大手三之門の門番をしている。さつきの新種を探し、さつきを育てることを副業にしている。娘・千瀬24才は御掃除之者、十俵一人扶持の宮地平太に嫁いだ。万年青栽培をしている。
 晋平の幼友達、一番の友達・河井佐吉が殺される。現場から逃げる男を見た晋平の御陰で犯人は直ぐに捕まった。護送中に足音もなく近付いた男に蓙を被せてあったにも関わらず一撃で心臓を刺されて殺された。晋平は佐吉が殺された理由と犯人を殺した犯人を捜す。佐吉は同心株を売っていた。そのお金が目的で殺された。犯人を殺したのは、伊賀忍の意識が高かった幼馴染みの息子・中森征士郎だった。征士郎は十一才まで晋平に忠也派一刀流の剣術を習い、その後忍びの技を習っていた。伊賀同心を殺したことが許せなかった。
 晋平の三人いた幼友達の一人、太一が殺される。太一は勘兵衛と隠れ御用をしていた。その途中、火付をする侍を見付け、見回った。二回阻止したが三回目に殺された。勘兵衛は侍が、岩垣藩の者ということを突止めた。上役に言う前に心臓の発作で亡くなった。話しを聞いていた晋平は岩垣藩の二人の侍を斬る。岩垣藩の殿様は奏者番になりたかった。国許にお金がないが、騙す形で金の工面をし、国許の侍が屋敷が無くなれば役職に就けないだろうと火付をしようとしていた。晋平は火付を止められればと思っていたが、二人は江戸憎しの心情だったため今止めただけでは駄目だと思い斬った。殿様は隠居させられた。
 調べの途中、婿の平太の家が隠密であったことを知る。隠密の家が旗本になった時に隠れ隠密になったと思わせながらその実、隠密でないという家だった。
 征士郎は軽業師になった。

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