2018年6月23日土曜日

耳袋秘帖㉒小石川貧乏神殺人事件

耳袋秘帖㉒小石川貧乏神殺人事件 殺人事件シリーズ 風野真知雄
 南町奉行・根岸肥前守鎮衛は家来の宮尾玄四郎に小石川の貧乏神を調べるように言った。
 人相書きの男 南町奉行所同心・椀田豪蔵は、三百両と根付けを盗まれた能登屋に入った押し込みの人相書きの前で眉を描いたり含み綿を入れたりしてそっくりの顔を作っている男を見た。男が殺される。男・旗五郎は能登屋の主の昔馴染みで、川崎から日光へ行く前に会いに来たが、会えないまま日光からの帰りに会いに来て殺された。能登屋は昔、旗五郎から根付けを騙し取っていたため、根付けを盗まれたことにしていた。強盗は狂言だった。根岸は旗五郎は能登屋と間違えられて殺された言った。能登屋は店と財産を没収され江戸所払いとなった。
 ぶちまける理由 椀田は能登屋の後始末に来て、酒屋の前で荷物をぶちまける男を何回も見た。荷物を拾う手伝いをする酒屋の小僧が紙を手渡している。調べると新しく江戸にきた酒問屋が変わり酒の入手先、売れ状態を調べていた。能登屋の買い手が見付かった。同じ煙草屋で根岸は「一福屋」と付け看板を書いた。能登屋の骨董品で分割された煙管の一部に二十両を出して買った旗本がいた。
 亀の背番号 宮尾は池の亀に番号が付いているのに気がついた。湯屋の主が若い男に番号札を渡し、湯に来るとその番号に下駄を入れる。下駄箱の後ろから亀がでて池に滑り降りるようになっていた。女将さんの相手を探していた。目星を付けた男を追って行った時、女将さんが娘の交際相手に、説教していた。宮尾は亀の番号を消すように言った。
 金魚を産む女 小石川養生所見回り同心・番台安右衛門は女の着物の裾から金魚が落ちるのを見た。翌日、長屋の女将さんが人形を産んだと聞かされた。一晩でお腹が膨らんだ女が養生所で産まれたと言った途端腹がへっこんだ。産まれた赤ちゃんは消えた。猫が産んだ子猫の中に犬がいた。根岸は本当のことはひとつ、後はそれをごまかすためだという。殴る蹴るの主人の元で赤ちゃんは育てられないと思い、産んだ赤ちゃんを里子に出した。人形が産まれたことにした。
 天狗の医者 医者が天狗に攫われ品川沖の岩場で見付かった。天狗に薬の処方を授けられたと言う。根岸は薬を養生所に持ち込み検査する。興奮し元気が出たと錯覚するという。根岸は遠島にて島民のために治療をしやり直すように言う。
 夢に見た関羽 旗本・鈴木吉右衛門が四つに分解された煙管を集めるためにしたことだった。一つは鈴木が持っていた。能登屋を殺して入手するつもりが間違って旗五郎を殺した。結局、別名で購入。松平家を偽って質屋から受け出した。質屋は松平家から責められ一家心中。自分で作った貧乏神の祠を潰し後一つを引っ張り出そうとした。
 

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