2018年6月15日金曜日

素浪人稼業⑬ 隙間風

素浪人稼業⑬ 隙間風 藤井邦夫
浪人・矢吹平八郎
隙間風 掏摸と間違い因縁をつけられている弥平を助け、盗人・不動の政五郎と青鬼の万蔵の押し込みの邪魔をする手伝いを頼まれる。政五郎は神道無念流の達人だという。隙間風の弥平は、政五郎の小田原の絹物問屋への押し込みで孫を殺されていた。政五郎を獄門にすることが狙いだった。弥平は政五郎がどこをいつ狙うか調べている。
 平八郎は南町奉行所定町廻り同心・高村源吾と伊佐吉に、不動の政五郎のこと、盗人宿のこと、隙間風の弥平のことを伝える。
 狙いは茶道具屋「香風堂」。政五郎が押込みかけた時、吟味与力・結城半蔵まで出張る捕り方に囲まれた。政五郎は平八郎が倒した。政五郎は獄門台に晒された。弥平は江戸から追放された。
 便り屋 平八郎が便り屋をやっている時、女に町医者桂井順庵宛ての手紙を頼まれた。順庵の息子が勾引かされ、平八郎の持って行った手紙は脅し文だった。平八郎は調べ廻る。二百両を用意させ、北町奉行所定町廻り同心・黒木慎一郎等が交換場所に見張りに行った。誰も来なかった。持って行った金子は百両、家を出る前に百両を渡していた。息子は帰った。犯人に行き着いた平八郎だったが、浪人・相沢左門は勾引かしの犯人は自分だと言いながら心臓発作で亡くなった。妹・しまは順庵が診察しなかったために息子を亡くしていた。相沢の女房は順庵堂に奉公していた。しまは不忍池で入水自殺した。順庵の息子と名所巡りをし、名物を食べ、満足したのだろう。
 父の敵 病で先が短い三枝道悦に高木蔵人という二十五才の松江藩の家臣を探して欲しいと頼まれた。高木は賭場で二十両の借金をして逃げていた。借金の型にされている高木の女・せんを助け出し、高木を誘き寄せる。道悦のところに連れて行く。道悦は高木の父親の敵だった。そして本当の父親だった。高木は七年目に父親であることを知り、父親探しをしていた。三枝が気を失ない医者の手当てを受けている間にせんと一緒に江戸からいなくなった。
 亭主殺し 平八郎のところに良吉という子どもが、おっかちゃんが行けと言ったと言いながら来る。良吉の長屋に行くと父親が包丁で刺され倒れていた。医者を呼び手当てを受ける。意識不明だが死んではいない。母親・ゆきを探す。ゆきは夫を殺したと思い自殺を考えていた。挙動不審で平八郎の長屋にいたゆきを岡っ引き長次は尾行した。幡随院の伝七は手柄を挙げるため父親を殺そうとした。伝七に殺しを頼まれた浪人を捕まえる。長次と連絡が付く。父親も助かり自分が悪かったことを証言したため、事故として事件にしなかった。伝七は十手を取り上げられた。
 

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