風烈廻り与力・青柳剣一郎㊶ 幻夜行 小杉健治
商いをやめ誰もいない旅籠に、娘が入り、忽然と姿を消した。三年前、若旦那・好太郎が恋仲の女中・ふみを殺し逐電したとおもわれた旅籠・成田屋だった。病んだ父親・好兵衛は娘・こうと向島の寮で療養中だった。
成田屋に娘を案内した大工が普請場の屋根から転落、行脚僧、易者、関わった者が不審な死を遂げる。風烈廻り与力・青柳剣一郎も怨霊騒ぎの探索に関わる。剣一郎が成田屋で会った人足が溺死する。
成田屋の床下に埋められていた好太郎の骨を見付ける。最初に亡くなった大工の後ろ姿が好太郎にそっくりだったと聞き込む。
成田屋は繁昌していた。五年前、内儀が急死、同じころ好兵衛が病に倒れる。好兵衛の異母弟・光右衛門が好太郎の後見をし、店を続けた。そして三年前の事件が起った。
母親の死、好兵衛の病気、ふみの死、好太郎の失踪が、叔父・光右衛門が成田屋を乗っ取るために起こしたことだと気付いたこうが成田屋の番頭だった・新助と一緒に幽霊騒ぎを起こした。好兵衛に世話になった小猿小僧も手伝っていた。
大工は好太郎が逃げたように装っていた。幽霊が現れ後ろめたさで動揺し屋根から落ちた。好兵衛夫婦は光右衛門に砒素を飲まされ続けた。好太郎とふみは殺された。こうは復讐しようとしている。
こうたちを殺そうとした光右衛門が雇った浪人を押さえ、光右衛門を捕まえた。復讐を考えるよりも成田屋の再興を考えるよう諭す。
幽霊騒ぎが起こり好太郎が死んでいることに気がついた、易者や行脚僧を殺していた。
人足の死は、暴力亭主に困った女房と長屋の住民が手を組み幽霊騒ぎを利用した。思ったよりも恐怖心が大きく思わない行動に出て死んだ。剣一郎の裁量で始末を付ける。
0 件のコメント:
コメントを投稿