百万石の留守居役〈十一〉 騒動 上田秀人
藩主・綱紀の使者として赴いた越前松平家で刀を振るうことになった数馬は追われていた。国家老次席・結城外記の屋敷に匿われていた。
仮祝言を済ませた琴は女行列を仕立て、女忍びの軒猿たちと数馬奪回に来る。数馬は琴と同じ駕籠にのり京を目指すが、藩主・松平左近衛権少将綱昌本人に追いつかれる。藩主を人質に結城外記の屋敷に籠った。
数馬を斬ろうとした福井藩組頭・本多大全は、越前大野藩津田修理亮の家来・郷田一閃の腕を借りたいために、松平若狭守を福井藩主にすればいいと考え、加賀一行と綱昌を始末することにした。綱昌は命を護ってもらうために今回の騒動の責は全て越前松平家にあるという詫び状を書く約束をする。攻め入った大全側は破れ、大全の藩主への謀反を公にし、綱昌は詫び状を書いた。郷田は主人・津田を逃がすため、逃げるため城内から出てきた大全を門外で斬る。
詫び状を貰った数馬たち加賀の者は結城外記に送られて九頭竜の渡しに行った。渡しを越え行列を整える。
数馬の岳父・琴の父・本多政長に、綱紀を憎む将軍綱吉から江戸への召喚の命が来ていた。
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