2018年9月13日木曜日

京都三条のホームズ・4

京都三条のホームズ・4 望月麻衣
   〜ミステリアスなお茶会〜
 年の初めに 一月三日 「蔵」の仕事始めは着物で出勤。ホームズさんと葵は矢田地蔵尊にお詣り。葵は喫茶店で初コーヒー。フレッシュがわからない。
 ビスクドールの涙 埼玉から来るテニス部の友達・真琴を案内するために、清貴から八坂神社から清水寺へのコースのレクチャーを受ける。祇園の異国風カフェを紹介され、一階のショコラトリーで清貴の祖母・椿に会う。
 オーナー・誠司は「全てを手に入れたお前には、多くの業が渦巻いている。お前自身は先祖の強い守護の下、障りがないが因果は配偶者にいくであろう」と祈祷師に言われた。実際に椿は病が絶えず、武史を産んだあと大病を患い、誠司は自分が疫病神に違いないと別れを決意し五年で離婚していた。椿は再婚して五十年になる。
 椿の家を訪れた二人は、ビスクドールに起っている怪奇な話を聞く。人形が泣いたり、移動したりするという。清貴は五十年ぶりに誠司が誕生日に胡蝶蘭を贈ってきたこと、ビスクドールが誠司からのプレゼントだったことを聞き、再婚相手・義夫が、誠司の気持ちを受け取ってしまい、椿が誠司を思っていたと思ってしまったのかもしれないと言う。人形を見ながら泣いていた義夫の涙、移動は義夫がしていたこと。男の子の人形は「蔵」に引き取られ女の子と一緒に並べられた。
 バレンタインの夜会 吉田山荘の別邸「真古館」で開かれた作家「相笠くりす」の朗読会に行ったつもりの、清貴と葵だったが、殺されそうになったくりすが真相を知りたく、くりすの頼みを聞いた清貴の父・作家・伊集院武史の提案で開かれた、清貴を引っ張り出す催しだった。出席者はくりすの妹・香奈、くりすの友人二人、カメラマンと助手・HP作成者・小田、前の編集者、探偵・小松。一人一人話を聞き取り、ホームズは、真相を解く。くりすの作品が高校生の時に友人と三人で書いた小説が元になっていること。くりすが大作家になり二人に悪いと思いながらも、頼ってくる二人が負担になり小松に二人の素行調査をし、弱みを握ったこと。くりすが好きになった小田を友人が誘惑し交際をはじめたこと。編集者が失恋したくりすを自分が恋人役をしてたち直したが、編集者に恋人がいることが発覚し、くりすが荒れたこと。公式サイト用の写真を首吊りにし、写真撮影時に友人が突き落としたことを暴く。
 くりすは後に今回のことを作品にした。
 バレンタインは清貴の誕生日だった。
 後継者の条件 誠司の彼女である滝山好江の息子・利休の祖父・斉藤右近が斎藤家の後継者を決める集まりを開いた。屋敷にある宝で斉藤家にとって一番の宝を見極めた者を後継者にするという。利休の父・長男・左京・個人投資家、次男・司・個人事業主、三男・和彦・会計士、それぞれが鑑定士を連れていた。司の鑑定士は田中博司と名乗る円生だった。葵は右近の鑑定士の試験を受けた。楽焼き八椀の陶工当てだった。葵は全てを言い当て合格した。
 三人は全ての宝の中から一つを選んだ。司は刀を当てたが、理由が違った。清貴は明智光秀から送られた刀が斎藤家の一番の宝だろうと言った。先祖は斉藤利三なのでしょうという。一番高い宝は何という質問に、名前はないが襖絵、俵屋宗達だろうと言う。
 右近は清貴の手を握り、利休を宜しくと言った。

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