2015年9月30日水曜日

まんまことシリーズ2

まんまことシリーズ2 こいしり 畠中恵
 こいしり 麻之助の祝言の日、八木源兵衛は卒中で倒れた。祝言は日延べされる。卒中で倒れた源兵衛は、昔関係のあった二人の女性が、今幸せかを気にする。麻之助と清十郎は二人を探す。二人は源兵衛を見舞った。麻之助と寿ずの祝言が行なわれた。
 みけとらふに 八木源兵衛がなくなった。見習い同心・相馬吉五郎が三匹のねこを連れてきた。変な猫の噂を調べると、詐欺が見付かり、縁魔蔵の台座に詐欺で集めたお金が見付かった。清十郎が「みけ」を吉五郎が「とら」を自分の猫を「ふに」と名付け飼うことにした。
 百物語の後 百物語の会を開き、懐を狙う者がいた。娘を連れていかれた男が麻之助や清十郎たちの力を借りて娘の消息を掴む。百物語の会の床下に埋められ、白骨遺体で見付かった。
 清十郎の問い 麻之助の元に、勝守を落とした人が二人くる。見付かったのは一つだけ、どちらも自分のものだと言う。寿ずの関係者とお由有の関係者だった。旗本と結婚したくない女は貰った勝守を川に棄てていた。結婚出来なくなるのがいやな商家の手代は持っていた。旗本との縁談は壊れ、手代と上手くいくかも知れないね。麻之助は寿ずとお由有のどちらの味方をした?と聞かれる。
 今日の先 命が短いことが分かり遊びに連れて行って欲しいと商家の主が現れる。病気では無いことが分かり、弟の借金を払ってやり、跡継ぎも決まった。
 せなかあわせ 恋文が見付かる。麻之助と寿ずは誰が書いたものか調べる。書いた人は亡くなっていた。住職に手紙を渡す。
 

2015年9月29日火曜日

しゃばけシリーズ2

しゃばけシリーズ2 ぬしさまへ 畠中恵
 ぬしさまへ 仁吉に来た恋文騒動 火事のためにお嬢さんと女中の立場が逆転してしまった。いつもはお嬢さんの為に手紙を代筆する女中が、仁吉に出す手紙の代筆をしなかった。お嬢さんは女中の好きな仁吉に好きでもないのに手紙を出す。待ち合わせの場所で揉めて、お嬢さんを殺すことになってしまった。
 栄吉の菓子 栄吉の菓子を買ってくれる隠居が栄吉の菓子を食べて死んだと言われた。一太郎は死因を調べる。殺しと思われるようにした自殺だった。箪笥のからくり戸の奥に書き置きがあった。
 空のビードロ 一太郎の腹違いの兄・松之助が奉公していた店・東屋という桶屋が火事になり焼き出された松之助が長崎屋にくる。
 四布の布団 一太郎の布団がすすり泣く。五布の布団を頼んだのにと注文と違った物が来たと布団屋に言いに行く。隣の部屋で番頭が死んでいた。一太郎は番頭が亡くなった場所を探し、階段から落ちたということを見付ける。布団を作る娘たちがしかられて泣いていたのだった。
 仁吉の思い人 仁吉の好きな人は妖だった。彼女は三千年前に好きな人と出会い、鈴を貰った。彼は人間なのですぐに亡くなる。でも何百年かすると出会う。亡くなってもまた出会う。一度はすれ違いで死んでいた。最後に出会い一太郎の祖父母になった。彼女は皮衣様だった。
 虹を見し事 一太郎の命を狙う暗紅という妖が来る。外に出るなという兄やの言うことを聞かないために妖たちは一計を案じる。周りから、妖がいなくなる。一太郎は誰かの夢の中と考える。暗紅を捕まえるための罠だった。暗紅は捕まる。一連の中で合わない話しがある。調べると女中のおまきが帰っていた故郷から江戸につくまでに殺されていたことがわかった。

2015年9月28日月曜日

狸穴あいあい坂3

狸穴あいあい坂3 心がわり 諸田玲子
 結寿は妻木道三郎の面影を消せずに暮らしている。
 小山田家にお婆さまの遠い親戚だという柘植平左衛門が訪ねて来、居候している。
 大火事があり、道三郎の妻は足に大怪我をした。妻から離縁を言うが、道三郎は引き止めている。結寿が懐妊したことが分かる。
 柘植は泥棒だった。元旗本の若殿が主犯で柘植は家来だった。小山田の庭に盗んだ物を隠していた。盗品を掘り出し出てきた所を捕まえるつもりだったが、お婆さまが人質になり、掘り返した後殺されそうになる。平左衛門がお婆さまを庇って殺される。犯人・若殿は捕まり、盗品は返される。
 小山田万右衛門は万之助に家督を譲ることを許される。盗賊の一味を居候させてしまった咎で、小普請に格下げされた。万右衛門は切腹を考えていたが、廻りの者の機転で幸左衛門と共に出家した。
 結寿は溝口の家で子を産むことになり実家に籠もる。口入れ屋ゆすら庵の次男・小源太から小山田家がゆすら庵の近くに屋敷替えしたことを聞く。実家の継母から子供が生まれれば離縁すると言われる。
 結寿は家を出た。狸穴坂で歩けなくなった。人に助けられゆすら庵で赤ん坊を産んだ。会ってもくれなかった万之助だったが年の瀬には小山田家に落ち着いた。弟・新之助は幸左衛門の所にいる。
 子供の名は香苗、結寿の亡母の名前だった。

2015年9月27日日曜日

狸穴あいあい坂2

狸穴あいあい坂2 恋かたみ 諸田玲子
 春の雪 旗本から出火した。辞めさせられた女中が疑われる。道三郎に探してもらう。火付けは奥様だった。女中はいろいろ知っている長屋の女を毒殺した。火付けも自分だと言っている  
 鬼の宿 初夏 宗仙の俳諧仲間の屋敷が火事になり一人死亡した火事見舞いに行く。結寿も一緒に行く。道三郎が隠密で張り込んでいた。火事になったのは住人・後室・吉也の恋人が盗賊の仲間で離れに仲間を連れ込んでいた。死亡したのは恋人で隠していた盗品を持ち出し家を焼いたのだった。盗賊は捕まった。
 結寿の縁談が決まった。
 駆け落ち 15年さがした仇討ち相手が見付かった。母親が駆け落ちした相手だった。姑に苛められていた母親を連れ出していたという事が分かった。母親が死ぬまで放さなかった息子の着物を見せられる。殺せないで帰った。結寿も駆け落ちすると廻りに迷惑がかかることを知らされる。
 星の坂 別れを言うために八丁堀へ行く。道三郎に姉から送り込まれている縁談相手がいる事を知る。結寿と彦太郎は、易者になって張り込む道三郎に会う。盗賊の女を捕まえるが、彦太郎が人質になる。交換して放された女を百介が追い、盗賊を捕まえた。屋台で食事をする。結寿は狸穴坂で道三郎を思い出し、幸せになる、と言う。キスして別れる。
 恋の形見 何もない母の形見、探そうと思っていると父親が、文箱と遺髪を掘り出した。
 山桜桃の木の下に道三郎に初めて会った時と別れの日に着ていた納戸色の結城着物を埋める。
 お婆さまの猫 御先手組与力・小山田万之助と結婚した。火盗改方を兼任しない。お婆さまの猫がいなくなった。連れ出したのは髪結いだった。逃げた猫は吝嗇で知れた旗本のもとにいる事が判る。お城の猫が逃げ、探している噂を流し、向こうから出してくるのを待った。道三郎を忘れられない。祝言の時も初夜の床でも道三郎を思い出し泣いた。
 月見船 組頭の奥様・千里に雪見に誘われた。千里は幼馴染みが甲府に行くので忍び会うらしい。途中、千里の夫が倒れたと連絡があった。結寿は船で出ているということにして、船宿を探す。文を書き障子の隙間に差し込んでもらう。千里は道を誤る所だったと告白する。見舞いに行くと、良き奥様だった。万之助は船に乗っていなかっただろうという。
 盗難騒ぎ 小山田の次男が刀を質に入れたと大騒ぎ。養子先を探し中だ。近くの旗本家にも盗難騒ぎがあったと思ったら取り下げたり。旗本にも次男、三男がいる。旗本の中間が疑われる。中間を入れた口入れ屋の信用がなくなる。結寿の祖父が世話になっている口入れ屋だ。いろんな情報を道三郎に流す。道三郎が盗賊一味を捕まえた時、小山田家の刀と旗本の刀を渡してくれた。盗品の中にあれば厄介のことになる。
 結寿は次男・新之助に、次男は思うようにいかぬとお思いでしょうが、思い通りにゆかぬは次男だけではない。という。ない人などいない。お婆さまの年になるとかけがえのない思い出になるようです。
 彦太郎に道三郎が再婚したことを知らされる。

狸穴あいあい坂

狸穴あいあい坂 諸田玲子
 狸穴坂で結寿17は隠密廻り同心妻木道三郎27と出会う。結寿は火盗改方与力の娘だった。御先手組の屋敷を出て、元火盗改の祖父と住んでいた。妻木道三郎には彦太郎という息子がいた。妻が亡くなり、姉夫婦に預けていた。
 ムジナのしっぽ 40年前の葵小僧捕縛の時、妻が火盗に取り調べられ、犠牲にされた娘の死に目にも会わせてもらえなかった中間が、結寿の祖父・幸左衛門の前で孫・結寿を痛めつけ見せてやろうとした。道三郎は中間を追っていた。結寿が中間に捕まった時飛び込み、幸左衛門が捕まえた。道三郎は幸左衛門に捕縛術の門弟にして欲しいというが、町方なので断わられる。
 涙雨 乳母が旗本の家から子供を連れ去る。結寿と道三郎は木母寺で乳母を捕まえる。道三郎は赤ん坊を旗本に返し、女を東慶寺に入れるように手配する。
 割れ鍋のふた 火盗改同心・奥津貞之進の姉・佐代に、掛け軸の盗難を相談される。道三郎が捕まえた男の女房は文句ばかり言っていたが、捕まった男をみて抱きあって泣く。佐代は好きな人がいながら結婚したので、夫婦仲は上手く行っていないと言う。結寿は全部吐き出せという。二人は解りあえた。
 ぐずり心中 火盗の娘と植木屋の息子の心中が見付かる。道三郎は殺したのは娘で娘は自死だと思うが、火盗改が調べもせず、男が殺した心中で片付ける。
 遠花火 宗仙先生が好きになった水茶屋の女将は盗賊の一味だった。昔、奉公していた旗本に手を付けられ放り出された。その旗本と旗本と関係のある商家を狙っていた。
 ミミズかオケラか 結寿は彦太郎を誰の子かは内緒で預かる。幸左衛門と仲よくなる。弥之吉はおとりが川にはまった所を見ていた。火事よけの札をいたずらっ子に川に投げられそれを拾おうとしてはまり、亡くなった。父親が捕まり弥之吉は勇気を出して見たことを告白する。
 恋心 火盗改同心・早川求馬の妹・鈴江18は貞之進が好きだ。鈴江は貞之進の名前で呼び出され、勾引かされ、陵辱された。結寿も捕まる。道三郎が助けに来た。火盗が捕まえた盗賊の残りだった。
 春の兆し 鈴江を預かっているところに彦太郎が来て、鈴江は元気になる。貞之進は鈴江と一緒になろうと思っている。彦太郎を養子にしようと思っていた一行がやって来る。鈴江と貞之進が、結寿と道三郎になって応対する。幸左衛門に孫娘を助けたのは妻木だから粗略に扱わないようにと言葉を残して帰った。
 道三郎も捕縛術を習えるようになった。


2015年9月26日土曜日

まんまこと

まんまこと 畠中恵
 神田古名主・高橋宗右衛門の息子・麻之助22才
 真面目で勤勉だった麻之助は、16才の時、お気楽な若者に変わった。好きだった2才上のお由有が幼馴染み・清十郎の父親・古名主・八木源兵衛と一緒になったから。このことは廻りの人にも知られていない。源兵衛はお由有のお腹の子の父親になった。麻之助はこの子の父親になってくれる?と聞かれた時、答えられなかった。その時のお腹の子は幸太6才、清十郎の弟だ。麻之助は可愛がっている。
 まんまこと お腹の子は麻之助だという商家の娘が現れる。商家の娘の許嫁が急な病で亡くなった。コッソリ付きあっていた許嫁の弟の子供だった。次男が商家の跡継ぎになり、条件のいい娘からの縁談が沸き上がり、兄の許嫁など邪魔になった。麻之助はみんな(弟の縁談相手)を集め、全てを明らかにする。娘はかなり年上の人の所に子供と共にお嫁に行った。弟の縁談は破談になった。
 柿の実を半分 質屋の主・小左衛門に娘だという女・お紺が現れた。家族がいない小左衛門は淋しさから作り話しと知りながら受け入れる。親戚が承知しない。麻之助はお紺が小左衛門の娘でないことを証明し、二人を夫婦にした。
 万年、青いやつ 麻之助の三人組の一人・同心・相馬吉五郎が麻之助に縁談を持ってくる。廻りはみんな乗り気だ。縁談の相手・野崎寿ず20には病気の好きな人・水元又四郎がいた。寿ずは麻之助を又四郎に会わし、縁談に乗った振りをして又四郎と会えるようにして欲しいという。名前のない万年青の芽の鉢の持ち主を見付ける。自分の物だというのは二人、本当の持ち主は、いつも賞をとる商家の主の万年青を栽培している植木屋の若い職人だった。新種を小さく切って芽を出させた。仕事を辞める時その鉢をもらって行く。
 吾が子か、他の子か、誰の子か 松平家の家臣で百石の大木田七郎右衛門が八木幸太は自分の孫だと言ってくる。麻之助たちは七郎右衛門の孫を探す。孫はいなかった。見付かったのは七郎右衛門の娘だった。母は矢場の女だった。七郎右衛門がその後どうしたか判らない。
 こけ未練 水元家に行くことになっているがなかなか足が進まない。お女中の迷い犬・狆・こりんを拾う。結婚に踏ん切りのつかない娘・おしんを助ける。
 水元又四郎に『寿ずを頼む』と言われる。
 静心なく 寿ずが又四郎が亡くなったことを麻之助に告げにきた。
 幸太が勾引かされた。源兵衛が卒中で倒れる。寿ずが縁談を断わりに来た。女手が欲しく寿ずも巻き込まれる。源兵衛の裁定に不満を持っていた料理屋の息子と母親の仕業だった。裁定の意味も息子を庇った父親や源兵衛の行動の意味も知らず、今回知らされた息子と母親は納得する。勾引かしはなかったことにした。
 寿ずとの縁談は二人が断わっても決まってしまった。
 

2015年9月25日金曜日

箱館奉行所始末3

箱館奉行所始末3 密命狩り 森真沙子
 慶応二年 1866年 三月
 支倉幸四郎は、三年前、藩役人を三人斬り殺し逃げている松前藩勘定目付だった藩士・久留津辰之助25才を討伐するよう命令される。
 幸四郎は、馬名人・小野儀三郎、山を良く知る陶芸家・蒲原彦次郎、独眼の猟師・半蔵、アイヌ語が分かる・巴御前と五人で山に入る。
 途中、久留津が三人を斬ったのは、アイヌの女に対する役人の態度に腹を立てたためということが分かり、討伐するのを躊躇う気が出てきた。また、久留津はアイヌに慕われていた。
 鹿取りの罠に掛かり、彦次郎は死ぬ。半蔵はアイヌの矢に首を刺され邪魔にならぬよう自死した。久留米が銃で幸四郎を狙った時、巴は銃口の前に立ちふさがり死ぬ。幸四郎は、久留津を斬る。
 久留津の言い付け通りアイヌの青年が幸四郎たちを逃がしてくれた。
 小出は江戸に帰ることになった。

2015年9月24日木曜日

箱館奉行所始末2

箱館奉行所始末2 小出大和守の秘命 森真沙子
 慶応二年 1866年 正月 支倉幸四郎もうすぐ25才
 新庁舎の小屋に付け火があった。アイヌによるもののように見せかけたところもあるが、犯人は、役人・沼田だった。五稜郭の普請時に二重帳簿を作り、未だに商人との癒着が続いているということで、捕まる前に自死した。火事は書類を焼いてしまいたかったという。幸四郎は沼田の質素な屋敷を見、調べても金使いも荒くなく、誰か後ろにいると思われるが、お金がどこに流れているか分からない。
 幸四郎は、アメリカの領事・ライスが「自分の孫はライスの息子だ。」という山越に強請られている、といいう相談を受ける。幸四郎は山越を調べ、子供を調べ、結果、フランスが後ろにいることをつきとめる。山越の娘はアメリカ領事館の家来の子だった。山越は本土に帰っていた。ライスはその子が見付かったら自分が育てるという。
 幸四郎は女に命を狙われる。女ではなく、役者だった。商家の主が自分の不正を調べられていると思い、先回りして殺そうとしたのだった。
 孝四郎は倒幕浪士・門馬豪助を国事犯として護送して江戸に帰った。左絵とのことが明らかになり、結び目を解かなかったことで人生は変わる。運命だったのだと納得する。
 絵師・平澤屏山と知りあう。屏山が描いた女は、門馬がしもやけの薬を渡してくれと頼んだ女だった。幸四郎が会いに行くといなくなっていた。

2015年9月23日水曜日

箱館奉行所始末1

箱館奉行所始末1 異人館の犯罪 森真沙子
 元治元年 1864年 7月 支倉幸四郎箱館着
 支倉幸四郎23才 五百石の旗本 許嫁の長岡左絵がいたが、左絵の父親に娘から遠ざけるために箱館行きにされたような気がしていた。一年半後、箱館奉行・小出大和守31才が外国奉行・柴田剛中から引き抜いたことを知る。長岡左絵が嫁いだ事も知る。
 支倉幸四郎 小出大和守秀実の配下・支配調役
 出仕挨拶に昼寝し、遅れる。
 突進してくる馬車から女を救う。異人は幸四郎に笞をふるい額を掠った。奉行に叱責され幸四郎はどこの国の誰かをつき留める。幸四郎は今までの自分は通用しない。と分かった。プロイセン領事館から照会の名前に心当たりはないと言う返事がきた。シュナイダーを調べまわる。米人・ハワードに見届け人を頼み、シュナイダーに謝罪を要求、断わられたので、笞で打ち返した。正式に訴えて頂きたい。という。居ない者は訴えられない。
自分で我が身を守る。受け身ではいけないことを肝に銘じる。自分の流儀を持つ。
 元治二年 1865年 4月 慶応となった
 留学生としてロシアに行くことになった志賀浦太郎は知らない間にロシアの密偵になっていた。日本を離れるに際し、支倉を次の密偵にするように言われた。らしい。二人で商家・能登屋と亡くなった役人を調べる。密輸を疑い張り込んでいる時、小出奉行は能登屋を取り押さえた。亡くなったはずの役人とお奉行は密輸を調べていたのだった。志賀のロシアへの留学はなくなった。
 しゃべることが出来ないが頭のよさそうな子供を助ける。飯炊きのうめに預ける。
 英吉利人によりアイヌの墓から骨を盗まれる。十三体分は返った。以前の三体は本国に送られている。小出は取り引きしない。ただ、返されるように突っぱねる。

2015年9月22日火曜日

料理人季蔵捕物控28 第二幕

料理人季蔵捕物控28 第二幕 夏おにぎり 和田はつ子
 おき玖は南町奉行所同心・伊沢蔵之進と祝言を挙げた。
 季蔵は忙しくて瑠璃を診てもらえなくなった寺田先生に代わり、岡野玄良に瑠璃を診てもらうことにした。瑠璃は季蔵を季之助と呼び良くなったようだ。
 玄良は次期老中と思われている瀬戸備中守を亡き者にしようとする一派の仕掛けに掛かり、殺しに利用されていた。季蔵に毒殺を阻止され、季蔵に尋問される前に仲間と殺し合って亡くなった。後ろで糸を引いている者はわからなくなった。
 

2015年9月21日月曜日

読売屋天一郎【5】

読売屋天一郎【5】 笑う鬼 辻堂魁
 「末成り屋」の売り子・和助25の所に娘・お慶が転がり込んでいた。娘を狙った権太郎たちが斬り込んできた。和助はお慶を逃がすが、和助は捕まる。天一郎はお慶の話を聞き、和助を探し助け出す。
 お慶の名は真矢・材木商朱雀屋の娘だった。後妻・津多が自分の産んだ子を跡取りにしたく真矢を殺そうと頼んだ。津多は大和小平家七万三千石の隠居・了楽の口車に乗り、五百両以上を用立てていた。了楽は四十という若さで贅沢好きのため隠居させられていた。
 末成り屋の後ろ盾になっている座頭・玄の市は元小平家の家臣だった。目が不自由になり藩を離れていた。三十五年振りに会った友達・内海信夫に藩のため百両を貸した。が内海は了楽の金使いを諌めたため、元青木十郎右衛門・現九柳典全に殺された。玄の市は内海の仇を討つ。
 朱雀屋の当主は病気療養のため寮に移った。津多は主の介護に付く。店は真矢が継ぐ。番頭の太兵衛が中心になりやって行く。真矢が弟を育てる。真矢は和助に朱雀屋に婿として来てくれるように言うが、和助は断わる。

2015年9月20日日曜日

婿同心捕物控え3

婿同心捕物控え3 踊る女狐 早見俊
 文化九年 1826年
 先手弓組み同心・火付け盗賊改方同心・桐生直次郎26才は、商家に入り稲荷から油揚げ一枚を盗み『女狐のお陽参上』の書き付けを残すお陽を捕まえることになった。
直次郎は箱根で捕まった、地蔵の権太を引き取りに行くが、逃がしてしまう。
 南町奉行所定町廻り同心・向井庄之助・直次郎の道場仲間は、足をくじいたお久美と知りあう。お久美はお陽だった。捕まえる。お久美に油揚げの盗みをさせていたのは権太だった。権太を取り逃がし行方不明になる。
 凶悪犯の悪鬼の兵五郎一味を追いかけいる。兵五郎の情報が投げ文で知らされ、手下が捕まる。直次郎の実家・布袋屋に兵五郎が押し入ると知らされ、火盗改が兵五郎を捕まえる。
 権太は兵五郎に押し入られ皆殺しにされた大阪の商家の息子だった。兵五郎の仲間に入り捕縛されるように火盗に情報を流した。仲間に入るために大金を隠してある稲荷を探している風を装ったのだった。
 

2015年9月19日土曜日

幕府役人事情2

幕府役人事情2 ちょっと徳右衛門 稲葉稔
 八十石御先手弓組与力・浜野徳右衛門32才 
 初鰹 組頭・可児宗之助の屋敷での剣術試合に代理で出場、個人戦は負けたが、勝ち抜き戦では徳右衛門が四連勝で可児組みの勝ちになった。
 上士と下士 息子・慎之介たちは、手習い所で旗本の息子・万次郎に苛められていた。万次郎は家では兄たちに苛められていた。徳右衛門は万次郎の父親にありにままを話す。父親は万次郎に謝らす。
 分不相応 近くの一膳飯屋に人質をとってたて籠もった若者がいた。元奥右筆の妾の息子だった。妾と手を切った父親を呼んで来い。と言い募った。親は来なかった。
 小平次の迷い 小平次は徳右衛門の中間になって7年になる。友達から金儲けの手伝いを頼まれる。悪計だ。徳右衛門の優しさにふれ断わろうと思った。
 消えた手文庫 慎之介の手習い所の先生から、手文庫が盗まれたので内緒で調べて欲しいと言われる。可能性を考え、博打場へも行き斬りあいまでして探す。先生の一言で傷ついた生徒の盗みだった。先生は父親と子供の前で、自分の一言を誤る。
 

2015年9月18日金曜日

新・剣客太平記(二)

新・剣客太平記(二) 師弟 岡本さとる
 筆の便り 竹中庄太夫が代筆した少年・金太の母親・おさよが行方不明になっていた。半次と猿三に探してもらう。金太と一緒に暮らそうと言う男の言葉に騙され、売られそうになっていた。竜蔵はおさよを助け出し、お山の東三と言う博打打ちに話を付けた
 夫婦剣法 十年前に、竜蔵の助けで仇討ちを成し遂げ国許に帰っていた黒鉄剣之助が江戸定府になった。尾長雄三郎に因縁をつけられ試合することになった。今まで逃げ回っていたのだが、妻・蔦の助言も有り、竜蔵の助けも有り試合に勝つ。
 墓参り 父・虎蔵の墓参りに行き、昔、虎蔵がやくざから助けたおせいと出会う。やくざから助けてもらいながら、虎蔵が亡くなったことを聞き、もっと悪い奴と手を組んでしまっていた。二年前虎蔵の墓を知り、後悔していたが抜け出せなかった。母・志津に言われ、虎蔵と同じように、おせいを救い出し、大目付・佐原信濃守の屋敷の女中奉公に出した。
 刀狩り 未熟な者が、おだてられ己の名声に酔っているそんな者が、試合を挑まれ、負ければ刀を取られる事件が五件続いた。竜蔵は井中剣峰と名乗る者・野田鉄次郎を探し、試合を挑む。竜蔵は勝ち、話しを聞き、取った刀を一軒一軒返させる。最後の旗本・直心影流・森山伝之助の時、竜蔵は助け船を出す。野田鉄二郎は百姓をするつもりだ。たまには道場に遊びに来いと誘う。

2015年9月17日木曜日

しゃばけシリーズ6

しゃばけシリーズ6 ちんぷんかん 畠中恵
 鬼と小鬼 通町で火事が起こり長崎屋は燃えてしまう。若旦那は三途の川の手前から冬吉少年と共に帰ってくる。
 ちんぷんかん 広徳寺の寛朝は妖退治で高名で、相談事に対応している。秋英は9才で出家し、広徳寺に入ったその日に寛朝の弟子になった。秋英22才、狸が本の中に引きずり込まれる相談に来た。秋英は閉じこめられた本から助けられ、若旦那の言葉で、自分が妖を見ることが出来ると知った。 
 男ぶり 一太郎の母・おたえの婿取りの話し。おたえには好きな人がいた。その人のために、商家で起こる卵事件を解決した。解決したことにより、おたえはその人との縁談がなくなった。藤吉はいつも褒めてくれる。褒め言葉におたえは気持ちよくなる。おたえは藤吉と一緒になった。
 今昔 一太郎の腹違いの兄・松之助に縁談がある。松之助が良いと思ったのは米屋の玉乃屋の妹のお咲だった。縁談は姉のおくらとだった。お咲が姉の命が狙われて居ると相談に来る。離れに匿い調べる。陰陽師が式神を使っていた。身体が弱いおくらは自分がいると妹に迷惑になると思い、陰陽師に自分を殺すことを頼んでいた。若旦那は姉妹に両親と話し合いをするように薦め、家に帰す。
 はるがいくよ 桜の花びらから生まれた小紅がいる。花が散ってしまえば小紅は消える。どうにかして桜の花を留めたいと思うが出来ない。何千年生きている兄やたちにとって、自分は小紅と同じ立場であることを知る。

2015年9月16日水曜日

しゃばけシリーズ5

しゃばけシリーズ5 うそうそ 畠中恵
 若旦那・長崎屋の一太郎は箱根に湯治に行く。
 山神の娘・お比女に会う。頻発する地震は比女の震えで起こっているが、比女は気がついていない。昔話しの、山神が怒り湖を潰し村を潰したと言う話しも比女が怖さによって引き起こしたことなのだが、山神がしたことになっている。
 地震の揺れが自分の所為で起こることを知った比女は、地下水道の栓になっている朝顔の蔓を切ろうとした武士がいたことによって起こる禍を防ぐため比女は自分の髪を使う。
 比女は地震をコントロールできるようになった。

2015年9月15日火曜日

しゃばけシリーズ4

しゃばけシリーズ4 おまけのこ 畠中恵
 こわい(狐者異) 妖しが、近寄ると廻りに禍が起こると近寄らない。職人が飲むと腕が上がる薬をもっている。欲しがった者は怪我をし、火付けをし、犯罪者になってしまった。
 畳紙 顔に厚く化粧するお雛さん。夢の中(と思っている)の屏風のぞきとの会話で祖父母から愛され心配してくれていることを知り、化粧を薄くする。
 動く影 妖しを写す鏡が持ち出され、鏡が表に現れた。一太郎が五才の時、子供たちの間で、動く影の噂があった。子供たちは元を探しに行く。栄吉が居なくなり、栄吉を見付けた時、鏡・飛縁魔も見付かる。
 ありんすこく 吉原から病気の禿を連れ出す。切手を手に入れ、準備を整えたが、失敗。結局、佐助と仁吉が塀の向こうへ投げる。
 おまけのこ 真珠の櫛を嫁入りに持たそうとした天城屋だった。盗もうとしたものがいた。櫛を作る職人が殺され、犯人の手に渡る前に鳴家が護り持ち逃げした。娘は狙われるような高価な物はいらないという。鳴家を探し真珠は戻った。
 

2015年9月14日月曜日

函館奉行所始末4

函館奉行所始末4 幕命奉らず 森真沙子
 慶応二年 1866年
 支倉幸四郎23才 五百石の旗本 函館奉行所支配調べ役として蝦夷にいる。小出大和守秀実奉行のもとにいる。
 新奉行・杉浦兵庫が函館に着き、奉行交代の後、小出は樺太に行くように命令されているが、話し合いの相手はもう樺太にいないので、江戸に帰り、ペテルブルクへお使節派遣を進言するつもりだという。幕命奉らず。

2015年9月13日日曜日

見習い同心如月右京3

見習い同心如月右京3 かなしみ観音 早見俊
 文政六年 1823年 八月
 幻の女 佐々木信吾は苦しんでいる女を出会い茶屋で休ませた。信吾は寝てしまい、目を覚ますと信吾の脇差しで男が死んでいた。信吾は目付に捕まる。信吾が女と思ったのは男だった。出会い茶屋の主人と一緒に美人局をするつもりだった。出会い茶屋の主人が邪魔になり男を殺したのだった。
 あの世からの文 五年前に亡くなった娘・お雪から手紙が来たという。高級料亭の双子の娘・お幸が、死んだお雪のことばかり考えてる両親に、こちらを向いて欲しいためにやったことだった。
 お隅登場 後妻に入った商家の主人が吝嗇化でまるで女中に来たみたいなものと思い、主人を殺してしまう。右京が見破る。
 七体の観音像 盗賊の引き込みがコッソリ作った鍵を、仏師に頼んで観音像の台座に引き出しを作ってもらい納めた。仏師は七体作り、自分のところに鍵を置いておく。盗賊は観音像を盗み、右京が調べることになる。盗賊は贋鍵を持って盗みに入る所を捕まる。仏師は自分が商家に入り千両盗み出すが、右京に見付かり、右京の剣に倒れる。
仏師は元侍だった。上司が賄賂を受け取っているのを知ったため、両替商と上司に罠に嵌められ藩を出た。その両替商の鍵だった。

2015年9月12日土曜日

見習い同心如月右京1

見習い同心如月右京1 予言殺人 早見俊
 文政五年 1822年 師走
 予言殺人 金貸しをしている商家の主が、右京やお美弥が信吾が張り込んでいたにも関わらず、予言通りに死んだ。予言が大丈夫だったと朝湯に入り心臓発作でなくなった。氷室の氷が運び出されていたのを見て右京は犯人を下働きの兄妹と見破る。主が入ったのは水風呂だった。兄妹はお金を借りたため死ぬ嵌めになった親の敵討ちだった。
 毒は剣より強し 道場で我が物顔の師範代を道場主の妻が毒殺した。妻は前から少しづつ毒を飲み、正月の席で同じ大杯の酒を飲んだ。師範代は亡くなり、妻は大丈夫だった。右京が暴いた時、妻は自死した。
 白髪頭に悪人無し 盗賊になり三千両を寮に埋め亡くなった息子を盗賊社会に引きずり込んだ盗賊の首領をおびき出すために、写経をしてくれる、白髪頭の男を募集する。
やって来た男の首を締め首つりに見せ殺す。右京が訪ねると自供した。
 隠密には向かない男 仕事熱心な隠密。おまえは隠密に向かない。と言われ、町人の中で暮らすことを命じられる。長屋の者を見張れと言うことだと思い、手習い塾の浪人を見張る。みなで由井正雪のお芝居の練習を謀反の相談をしていると勘違いし、忍び込む。出てきたところを長屋の女に見られ、女を殺してしまう。右京は決闘で隠密を倒す。

2015年9月11日金曜日

御家人無頼蹴飛ばし左門

御家人無頼蹴飛ばし左門 憂き世往来 芝村凉也
 御家人・三日日左門の近所に禄を減らされた兄妹が越してくる。
 荒神組の頭目・御家人・新上弾九郎は兄を盗賊一味に引き入れ、押し込み先で殺し、御家御取り潰しにし、妹を手に入れようと考えた。
 赤鞘の御家人・猿橋市之丞は吉原の田中屋と法恩時一家と手を組んで、兄を役付きにするにはお金がいると妹に身を売ることを薦める。
 左門は二組を阻止し、兄は寺預けにし、妹には学問だけに身をいれたい商家の息子を養子にした。
 青砥家の父親が切腹した原因の大番五番組の新任に強制の酒席で苛めの張本人をこらしめる。
神楽一家にわらじを脱いでいた男が左門を見て逃げ出した。

2015年9月10日木曜日

立場茶屋おりき20

立場茶屋おりき20 由縁の月 今井絵美子
 由縁の月 幾富士が呉服屋京藤の半身不随の息子・伊織の世話に行く決心をした。年末最後のお座敷で由縁の月を踊る。三味線は幾千代だった。
 初扇 真田屋の源次郎と高麗屋の姪・育世の婚約が整い、式の日取りが決まった。煮え切らなかった源次郎がおりきとの会話で気持ちを決める。
 幾富士からの扇の贈り物が、幾千代に届く。
 はかな雪 あすなろ園の武蔵の父親が帰って来た。戸口で倒れそのまま死ぬ。
 こうめの亭主・鉄兵の母親・おすわが訪ねてくる。再婚相手に邪険にされた鉄兵は母親の所と行き来がない。おさわとこうめは母親の気持ちを汲む。
 春疾風 とめ婆さんは五月に後を頼み、夜中に静かに死ぬ。
 疾風が吹き荒れた日、おみのの兄・才造が海に出て帰らなかった。おみのは兄が夢まくらに立った、という。
 京の三吉から吉野屋の幸右衛門の亡くなったことを知らす手紙が届く。

2015年9月9日水曜日

棟居刑事の『人間の海』

棟居刑事の『人間の海』 森村誠一
 梁山荘という古いアパートに住む、易者・松江勇作のところに山上グループの社長の娘・山上かおりが同居することになった。父親・喜一郎はかおりが人間不信であり被害妄想だという。が本当にかおりは狙われていた。梁山荘の住人で護る。
 棟居は、何者かが運び込んだ病院で刺殺され亡くなった入江牧子の事件を調べていた。事件現場も運び込んだ人物も解らない。
 信用金庫の現金輸送車を狙った犯人が一億円を持って逃げるのに失敗し、たて籠もる事件が起きた。かおりを人質に警察と交渉している犯人が撃たれ、事件は解決する。松江は狙われたのはかおりだったという。梁山荘の住人で退職した棟居の先輩刑事との繋がりで光った窓の住人・岡野真澄を調べると、ホテルで殺されていた。
 岡野真澄が関係していた5年前の交通事故を調べ、今売り出し中の歌手桐原良彦が浮かび上がる。良彦の以前のアパートから硝煙反応が出、事情徴収を受ける。入江牧子を病院に運んだのはかおりだった。良彦は別れたくても別れてくれない牧子を殺すつもりだった。良彦は、刺された後道に飛び出た牧子を、かおりが車に乗せた時、自分の顔を見られたと思ったため、かおりを殺そうとしていた。
 岡野真澄を殺した犯人は、5年前の事故の同乗者であり、真澄に就職先を世話し、その後もつき合いのあった男だった。

2015年9月8日火曜日

連鶴 

連鶴 梶よう子
 慶応三年 1867年11月15日 坂本龍馬死す
 桑名藩藩主松平定阿敬は会津藩藩主松平容保の弟のため会津藩と共に行動する。
 桑名藩藩士・早見丈太郎26才 弟・早見栄之助24才 丈太郎は海外に目を向け、英吉利語を習い、英吉利語で軍艦の本を書くぐらい勉強したが、桑名藩であり跡継ぎであることで自分は藩と共にと思っていた。栄之助は商家の養子になることになり、横浜で外国人と取り引きがある関係で薩摩藩と手を組んでいた。
 丈太郎は鳥羽・伏見の戦いで目が不自由になる。大阪で敗残兵と薩摩兵として兄弟が顔を合わせる。栄之助は薩摩を離れ、丈太郎と共に桑名に帰る。桑名は恭順の意を示した。
 桑名には連鶴という折り紙がある。丈太郎は二十歳前に道場で坂本龍馬に「四羽の鶴が連なる「風車」を折って渡したことがある。坂本龍馬は死の時それを持っていた。斬った人も連鶴を知っていた。兄弟が別れる時、嘴と尾が反対向きの連鶴を丈太郎が栄之助に渡す。家老は理想だと言いながら、百羽の連鶴をお婆様に折って見せて頂いたという。これからを二人で見ようという時、丈太郎は「風車」を折る。栄之助は、棄てたように見せていた連鶴を、兄に渡す。
 

2015年9月7日月曜日

爆笑問題の日本史原論

爆笑問題の日本史原論 爆笑問題
 縄文時代 卑弥呼 大化の改新 平安時代 鎌倉幕府 室町幕府 信長・秀吉・家康 忠臣蔵 薩長同盟 大正時代 二・二六事件 

2015年9月6日日曜日

素浪人半四郎百鬼夜行(四)

素浪人半四郎百鬼夜行(四) 怨鬼の執 芝村凉也
 正気ではなくなり、廻りの者を殺して行く事件が起こる。半四郎の長屋の三次を助け光の玉が半四郎に入り込む。半四郎は自分を動かす力に対抗し池に浸かる。愛崎から渡された妖刀で玉を壊す。
 自分に悪さをする者を、凍らせる力を持つ娘がいる。そんな力を持っていることは本人も知らない。親切にされたご隠居さんの家に押し込みが入り、押し込みを殺すが、ご隠居も殺してしまう。みんなに囲まれた娘を半四郎は抱きしめる。娘は消えた。
 東雲の浦山の隠居が煩く、浦山の中家老は引退を押し付けられ、実家に帰ってしまう。次男は徒目付になり屋敷も代わり、婆は孫の世話をさせられる。とうとう婆は正気を失い、火を付ける。東雲藩の屋敷うちが灰になり、婆は火の玉となり江戸に向かい飛ぶ。聊異斎は江戸に着くまでに修験者と協力して倒す。半四郎に合わせればもっと力が強くなることを恐れた。
 

素浪人半四郎百鬼夜行(三)

素浪人半四郎百鬼夜行(三) 蛇変化の淫 芝村凉也 
 男を殺して逃げた女が、蛇巫女・斎姫女に匿われる。後捕まり、斬首になる。夫に心を残して死んだ。
 伊勢屋の親戚益田屋の主の変な病を治して欲しいと頼まれる。聊異斎と半四郎と修験者・儀海坊と捨吉とで、トウビョウを使い他人を苦しめていた男にトウビョウを入り込ませる。トウビョウ使いを使っていたのはカカ様と呼ばれる奥山を取り仕切る香具師の元締めの後妻・真薙子だった。益田屋の息子・孝之助は真薙子に捕まっていた。真薙子は昔の大蛇、神だった。孝之助を慕い、生け贄のつもりだった。大蛇の尾を斬り、蔵の地下の龍穴から助け出す。
 真薙子はトウビョウ使いを飲み込み、夫に心を残して死んだ女の首を飲み込み、力を増幅させると共に、正気に戻らなくなっていた。真薙子をそうさせようとする、誰かがいるのだ。娘・斎姫女は真薙子の中に入り自分が押さえ込んでいる間に、加賀美典膳に斬るように頼む。加賀美は蛇神の見守りだという。蛇行剣で倒す。一本の火柱が立ちいなくなった。

2015年9月5日土曜日

素浪人半四郎百鬼夜行2

素浪人半四郎百鬼夜行(2) 鬼心の刺客 芝村凉也
 東雲藩主鷹羽鬨春は浦山の婆にせっつかれまたもや神之木二郎左(榊半四郎)を討つことを命令する。江戸家老戸田美作は浪人を雇うが半四郎は防ぐ。北町奉行所臨時廻り同心・愛崎哲之進は東雲藩鷹羽家上屋敷用人森本外記に会い、半四郎に手を出さぬよう釘を刺す。半四郎に果たし合いを依存だ桟崎と対する時、綜武流 浮船を使う。
 伊勢屋の寮で起こる怪奇な現象を調べることになる。伊勢屋の主から逃げたい妾が始めた怪奇現象だった。女中だった妾と一緒になってもいいなと思っていた主から目を掛けられていた手代が手伝っていた。半四郎は主を欺き、産土神の所為という。妾と手代が円満に伊勢屋を辞められるよう考える。二人は騙したまま出て行くことはしなかった。半四郎も伊勢屋に謝る。
 狸が化けている噂のある御使僧・御龍和尚を調べることになる。聊異斎は化けた者であることを暴き、殺そうとするが、半四郎は我が身をかけて止める。悪さを成す者ではないということで。本当の御龍和尚は何年も前に亡くなっていた。代わりの者が和尚になっていることを本山・建長寺は知っていた。しばらくして亡くなった和尚は狸だったが、手厚く葬られた。
 紀尾井坂あたりで勾引かしが何件も起こる。明るい結界を作り、中に取り込んでいた。半四郎が入り込み影退治する。後に何体もの骨が現れた。

2015年9月4日金曜日

見習い同心如月右京2

見習い同心如月右京2 宿命剣 早見俊
 文化六年 1823年5月
 如月右京26才 半年前兄・右門が亡くなり蘭学者になるつもりで長崎留学より帰ったばかりの右京は見習い同心になった。如月家の長屋に住む小者矢吉の娘18才を小者にする。右京は南町奉行所筆頭同心佐々木信吾に付く。
 八才の子供が次々に殺される。蘭学者工藤伊織の息子三四郎は下総船橋城主松林伊勢守の息子だった。側室雪が、正室から命を狙われ、お腹の子供共々伊織と一緒になり、隠れていた。
今また、三四郎の命を狙われ、同じ産婆により出産した子供が二人殺された。三人目は商家の主が実の子供可愛さに実子でない長男を殺していた。産婆が自殺し、二人の子供を殺したように見せかけていたが、三四郎を殺しそこねたため、松林家の家老の放った隠密の正体が露見した。奥山の花村一座が隠密の隠れ蓑、桔梗は桐生一族の七代目だった。
 右京は西洋剣の名手だった。

2015年9月3日木曜日

しゃばけ

しゃばけ 畠中恵
 廻船問屋長崎屋の若旦那・一太郎は身体の弱い17才。一太郎の薬を集めているうちに薬種問屋を立ち上げ、今では一太郎が任されている。一太郎は廻りを妖しに護られている。もう少しで付喪神になれたのを邪魔された墨壷が生き返る薬欲しさに人に乗り移り人を殺めた事件を解決するために、一太郎は自分の出生の秘密を知った。
 祖父・伊三郎は妖と知っておぎんと一緒になった。娘・一太郎の母・おたえも妖は分かる。父は養子に入った。母が子供を欲しがり、祖母が茶枳尼天(だきにてん)に願い、死者の魂を蘇らせる神の薬を貰い、生まれてすぐに亡くなった子供を蘇らせた。それが一太郎だった。おぎんは茶枳尼天のお側に仕えている。
 一太郎が5才の時に祖父が一太郎のために付けてくれた妖が、犬神の佐吉と白沢の仁吉だ。屏風のぞき、見越しの入道、蛇骨婆、野寺坊 鳴家等がいる。
 一太郎には母親が違う兄がいるようだ。近所の幼馴染み、菓子屋の栄吉、妹・お春

2015年9月2日水曜日

歌舞伎から江戸を読み直す

歌舞伎から江戸を読み直す 田口章子
 歌舞伎は恥と情の世界

2015年9月1日火曜日

為吉 北町奉行所ものがたり

為吉 北町奉行所ものがたり 宇江佐真理
 奉行所付中間 為吉 為吉23 呉服屋摂津屋の息子だった。5才の時押し込みに会い、両親、祖父母、手代、女中が殺され為吉一人が助かった。母親の妹・おせきに引き取られ育てられた。おせきの連れ合いは儀助という岡っ引きだった。儀助は為吉に邪険だった。12才の時米屋に奉公に出る。他の奉公人と喧嘩になり自身番に行く。坪内半右衛門50に会い、坪内の下男として働いた。年番方与力の誘いで、17才で北町奉行所の中間となった。
 摂津屋を襲ったと思われる青蜥蜴が捕まった。青蜥蜴は摂津屋を襲っていないという。為吉が池にはまったために辞めさせられたネエヤは青蜥蜴の姉の娘だった。その娘は摂津屋を辞めたあと自殺していた。青蜥蜴が摂津屋を襲った理由だと思われた。
 下手人 磯松 旅籠「大黒屋』の飯盛り女だった磯松の母親は乳飲み子の磯松を置きざりにした。大黒屋の女将・おりそが自分の子のように育てた。が、磯松も小僧として働くようになった。おりそが寝込むようになり、主は若い女を妾にした。おりそは裏の離れで亡くなる。妾の妹が若旦那のおかみさんになる。
 磯松は頭を使えといわれ、主ののど元を火箸で突き、出刃で妾を刺し、男衆三人を刺した。磯松18は捕まる。為吉は磯松と話し、磯松は頭を使えと言われるのを嫌がることがわかった。
 見習い同心 一之瀬春蔵 春蔵14、見習い同心になり神谷舎人42臨時廻り同心に付くことになった。同僚のあら探しばかりしているように言われている人だった。奉行所で不祥事が起こらぬよう、耳の痛い事をいう悪役がいるのだ。という。神谷の妻は父親の不祥事の犠牲者だった。そんなことが起きないようにしていた。
 与力の妻 村井あさ 二十年前、あさの兄の突然の死であさが養子を貰うことになった。金兵衛・年番方与力だ。長男・信一郎 次男・斧次郎13 長女・静江15 次女・ゆりがいる。あさの許嫁だった棚橋は吟味方与力だが、今回死罪になったものが冤罪ではなかったかということになった。金兵衛が尽力をつくし冤罪でないことを証明した。そんなことから二十年前の話しになり、棚橋が金兵衛にあさの養子になって欲しいと頼んだことが分かった。もう一人の養子の話しは二十五才くらい年上だったのだ。
 岡っ引き 田蔵 田蔵42才。大根河岸に一茶という水茶屋の主であり、岡っ引きだった。祖父も父も北町奉行所の同心に十手を預かっていた。父親は両親と弟たちを火事で亡くした娘・おつるを田蔵19才の嫁にするつもりで家に引き取った。祝言を挙げてまもなく、おつるに先を見る力があることがわかる。おくみが生まれ、父母が亡くなる。おくみは六才の時から母親の手伝いをし、巫女のように座っている。神様は繁盛だった。
おみと14才がいなくなった。為吉はおつるに相談に来る。田蔵と二人でおみとを見付ける。為吉はおくみを一目で好きになり、坪内に相談し、養子に入ることになった。
 下っ引き 為吉 為吉は田蔵の娘婿になり、六年勤めた奉行所を退いた。呉服屋の反物が盗まれる事件が続いた。呉服屋の手代と田蔵の下っ引き・竹次の仕業だった。二人は少年時代の悪仲間だった。竹次は牢内で死んだ。田蔵の家族は辛い冬を過ごしてが、翌年、おくみの懐妊がわかった。