2015年9月26日土曜日

まんまこと

まんまこと 畠中恵
 神田古名主・高橋宗右衛門の息子・麻之助22才
 真面目で勤勉だった麻之助は、16才の時、お気楽な若者に変わった。好きだった2才上のお由有が幼馴染み・清十郎の父親・古名主・八木源兵衛と一緒になったから。このことは廻りの人にも知られていない。源兵衛はお由有のお腹の子の父親になった。麻之助はこの子の父親になってくれる?と聞かれた時、答えられなかった。その時のお腹の子は幸太6才、清十郎の弟だ。麻之助は可愛がっている。
 まんまこと お腹の子は麻之助だという商家の娘が現れる。商家の娘の許嫁が急な病で亡くなった。コッソリ付きあっていた許嫁の弟の子供だった。次男が商家の跡継ぎになり、条件のいい娘からの縁談が沸き上がり、兄の許嫁など邪魔になった。麻之助はみんな(弟の縁談相手)を集め、全てを明らかにする。娘はかなり年上の人の所に子供と共にお嫁に行った。弟の縁談は破談になった。
 柿の実を半分 質屋の主・小左衛門に娘だという女・お紺が現れた。家族がいない小左衛門は淋しさから作り話しと知りながら受け入れる。親戚が承知しない。麻之助はお紺が小左衛門の娘でないことを証明し、二人を夫婦にした。
 万年、青いやつ 麻之助の三人組の一人・同心・相馬吉五郎が麻之助に縁談を持ってくる。廻りはみんな乗り気だ。縁談の相手・野崎寿ず20には病気の好きな人・水元又四郎がいた。寿ずは麻之助を又四郎に会わし、縁談に乗った振りをして又四郎と会えるようにして欲しいという。名前のない万年青の芽の鉢の持ち主を見付ける。自分の物だというのは二人、本当の持ち主は、いつも賞をとる商家の主の万年青を栽培している植木屋の若い職人だった。新種を小さく切って芽を出させた。仕事を辞める時その鉢をもらって行く。
 吾が子か、他の子か、誰の子か 松平家の家臣で百石の大木田七郎右衛門が八木幸太は自分の孫だと言ってくる。麻之助たちは七郎右衛門の孫を探す。孫はいなかった。見付かったのは七郎右衛門の娘だった。母は矢場の女だった。七郎右衛門がその後どうしたか判らない。
 こけ未練 水元家に行くことになっているがなかなか足が進まない。お女中の迷い犬・狆・こりんを拾う。結婚に踏ん切りのつかない娘・おしんを助ける。
 水元又四郎に『寿ずを頼む』と言われる。
 静心なく 寿ずが又四郎が亡くなったことを麻之助に告げにきた。
 幸太が勾引かされた。源兵衛が卒中で倒れる。寿ずが縁談を断わりに来た。女手が欲しく寿ずも巻き込まれる。源兵衛の裁定に不満を持っていた料理屋の息子と母親の仕業だった。裁定の意味も息子を庇った父親や源兵衛の行動の意味も知らず、今回知らされた息子と母親は納得する。勾引かしはなかったことにした。
 寿ずとの縁談は二人が断わっても決まってしまった。
 

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