2015年9月28日月曜日

狸穴あいあい坂3

狸穴あいあい坂3 心がわり 諸田玲子
 結寿は妻木道三郎の面影を消せずに暮らしている。
 小山田家にお婆さまの遠い親戚だという柘植平左衛門が訪ねて来、居候している。
 大火事があり、道三郎の妻は足に大怪我をした。妻から離縁を言うが、道三郎は引き止めている。結寿が懐妊したことが分かる。
 柘植は泥棒だった。元旗本の若殿が主犯で柘植は家来だった。小山田の庭に盗んだ物を隠していた。盗品を掘り出し出てきた所を捕まえるつもりだったが、お婆さまが人質になり、掘り返した後殺されそうになる。平左衛門がお婆さまを庇って殺される。犯人・若殿は捕まり、盗品は返される。
 小山田万右衛門は万之助に家督を譲ることを許される。盗賊の一味を居候させてしまった咎で、小普請に格下げされた。万右衛門は切腹を考えていたが、廻りの者の機転で幸左衛門と共に出家した。
 結寿は溝口の家で子を産むことになり実家に籠もる。口入れ屋ゆすら庵の次男・小源太から小山田家がゆすら庵の近くに屋敷替えしたことを聞く。実家の継母から子供が生まれれば離縁すると言われる。
 結寿は家を出た。狸穴坂で歩けなくなった。人に助けられゆすら庵で赤ん坊を産んだ。会ってもくれなかった万之助だったが年の瀬には小山田家に落ち着いた。弟・新之助は幸左衛門の所にいる。
 子供の名は香苗、結寿の亡母の名前だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿