箱館奉行所始末2 小出大和守の秘命 森真沙子
慶応二年 1866年 正月 支倉幸四郎もうすぐ25才
新庁舎の小屋に付け火があった。アイヌによるもののように見せかけたところもあるが、犯人は、役人・沼田だった。五稜郭の普請時に二重帳簿を作り、未だに商人との癒着が続いているということで、捕まる前に自死した。火事は書類を焼いてしまいたかったという。幸四郎は沼田の質素な屋敷を見、調べても金使いも荒くなく、誰か後ろにいると思われるが、お金がどこに流れているか分からない。
幸四郎は、アメリカの領事・ライスが「自分の孫はライスの息子だ。」という山越に強請られている、といいう相談を受ける。幸四郎は山越を調べ、子供を調べ、結果、フランスが後ろにいることをつきとめる。山越の娘はアメリカ領事館の家来の子だった。山越は本土に帰っていた。ライスはその子が見付かったら自分が育てるという。
幸四郎は女に命を狙われる。女ではなく、役者だった。商家の主が自分の不正を調べられていると思い、先回りして殺そうとしたのだった。
孝四郎は倒幕浪士・門馬豪助を国事犯として護送して江戸に帰った。左絵とのことが明らかになり、結び目を解かなかったことで人生は変わる。運命だったのだと納得する。
絵師・平澤屏山と知りあう。屏山が描いた女は、門馬がしもやけの薬を渡してくれと頼んだ女だった。幸四郎が会いに行くといなくなっていた。
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