棟居刑事の『人間の海』 森村誠一
梁山荘という古いアパートに住む、易者・松江勇作のところに山上グループの社長の娘・山上かおりが同居することになった。父親・喜一郎はかおりが人間不信であり被害妄想だという。が本当にかおりは狙われていた。梁山荘の住人で護る。
棟居は、何者かが運び込んだ病院で刺殺され亡くなった入江牧子の事件を調べていた。事件現場も運び込んだ人物も解らない。
信用金庫の現金輸送車を狙った犯人が一億円を持って逃げるのに失敗し、たて籠もる事件が起きた。かおりを人質に警察と交渉している犯人が撃たれ、事件は解決する。松江は狙われたのはかおりだったという。梁山荘の住人で退職した棟居の先輩刑事との繋がりで光った窓の住人・岡野真澄を調べると、ホテルで殺されていた。
岡野真澄が関係していた5年前の交通事故を調べ、今売り出し中の歌手桐原良彦が浮かび上がる。良彦の以前のアパートから硝煙反応が出、事情徴収を受ける。入江牧子を病院に運んだのはかおりだった。良彦は別れたくても別れてくれない牧子を殺すつもりだった。良彦は、刺された後道に飛び出た牧子を、かおりが車に乗せた時、自分の顔を見られたと思ったため、かおりを殺そうとしていた。
岡野真澄を殺した犯人は、5年前の事故の同乗者であり、真澄に就職先を世話し、その後もつき合いのあった男だった。
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