2017年11月8日水曜日

しゃばけシリーズ〈16〉 とるとだす

しゃばけシリーズ〈16〉 とるとだす 畠中恵
 とるとだす 薬種問屋の主たちが和薬改会所を作るか作らないか長崎屋を自分たちの方に付けるために、広徳寺に集まっていた。長崎屋の主・籐兵衛は若旦那・一太郎の病気が治るという上方の薬屋の薬を飲んだ。他の薬も飲まざるを得なくなり五種類もの薬を飲んで意識不明になってしまった。一種類ずつ解毒していく。目を開いた。
 しんのいみ 枕返しを探しに一太郎は蜃気楼の中に入る。枕探しに枕を返して貰うと飲んでしまった薬を吐き出せるかもしれないから枕返しを探していた。蜃気楼の主・蛟龍が天に上り龍になろうとしていた。天に昇る道と帰る道が開いた。見付けた坂左さんに籐兵衛の枕をひっくり返して欲しいと頼む。雨の塊に打ち付けられ気がついたら長崎屋に戻っていた。
籐兵衛の病は一段軽くなった。話せるようになった。
 ばけねこつき 染物屋小東屋が番頭と娘・糸を連れて糸を一太郎の嫁にと言ってきた。大坂から伝わった秘伝の薬を持参金代わりに付けるという。糸が化け猫憑きといわれ二度縁談が壊れていた。小東屋が蔵にしまい込んだ秘伝薬の作り方を書いた物を持って長崎屋を訪れる途中、番頭が奪おうとした。番頭に秘伝薬を譲るとか店を持たせるとか言葉で釣り、番頭に何もしない。番頭は縁談を潰し、書付が蔵から出る時を作った。鳴家たちのために持って遁げることは出来なかったが番頭は店を辞め、馬久や金次やおしろたちと住んでいるうちに周りのおかみさんに奨められ、煮売り屋の三人の子持ちの亭主が亡くなったおかみさんと所帯を持つことになった。
 長崎屋の主が死んだ 長崎屋に狂骨が現れた。狂骨の主は吉原の遊女・菊を好きになった広徳寺の僧・安時だった。菊は年期が明け、安時は還俗し所帯を持つ予定だった。菊は瘡毒だった。小検使に告げられた菊は井戸に身を投げ、安時も後を追った。安時は何故治せないと薬家長崎屋に現れたのだった。寛朝の護符を持った鳴家を狂骨に投げ、狂骨はいなくなった。
 ふろうふし 大黒様の少彦名神・薬祖神への文を持って常世へ行くことになった。途中、神田で落ちてしまう。一寸法師と金時が常世から非時香菓を持ち出した島子を追いかけていた。非時香菓を狙う侍に追いかけられていた。一太郎は橘の実を川に流し非時香菓は流れて無くなったと言いくるめた。一寸法師は少彦名神だった。毒消しを貰い籐兵衛は元気になった。

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