2017年11月29日水曜日

秘め事おたつ 細雨

秘め事おたつ 細雨 藤原緋沙子
 米沢町の稲荷長屋に「青茶婆」たつが住んでいる。たつは貸し屋と金貸しをしていた。
たずは元は花岡藩江戸屋敷の奥を取り締まっていた。多津の部屋子美佐は側室になり男の子を産んだ。病気になった(毒?)美佐は息子・吉次朗を屋敷から出した。五年前、女中と吉次朗がいなくなり、正室の跡継ぎは疱瘡の後重い障害が残ったため吉次朗を探し出すことになった。多津は屋敷をでて吉次朗を探していた。
 細雨 同じ長屋の棒手振り弥之助が身投げをしようとしていた女・ちよを連れてくる。ちよは植木屋の里子だった。七才の時、養父母に娘が生まれ、ちよは使用人待遇になった。娘は十五才で疱瘡で亡くなり、養母も亡くなった。養父が木から落ち亡くなった途端、借金取りに家屋敷を取られた。ちよが中居として働き、醤油問屋「丹波屋」の主人・七兵衛の内儀に納まった。七兵衛は妾を囲い、ちよは手代との不義を疑われ、妾に子どもが出来た。ちよは家を飛び出していた。
 たつは元岡っ引き・岩五郎に頼みちよのことを調べる。千代の父親は二千石の旗本の三男で養子に行き、今は亡くなっていた。母は女中でちよを産んだ後亡くなった。千代の養父は旗本の庭の植木の手入れをしていたと分かった。七兵衛の妾は番頭・富蔵の情婦だった。七兵衛が何者かに刺された。富蔵の仕業であることを暴き、富蔵が丹波屋の乗っ取りを謀ったことを暴く。
 朝顔 たつは医者・田中道喜に一両を貸す。軒看板に「煎薬一服十六文」と書くようにアドバイスする。
 たつは掏摸をする又吉8に会う。又吉は病気の父親のために掏摸をしていた。父親を道喜に見てもらう。父親は大工で時蔵という。又吉の生い立ちを話す。八年前、大坂で子どもを産み亡くし、三ヶ月後夫婦で大坂から江戸に帰る途中、藤沢宿で、産後の肥立ちが良くない夫婦連れから生まれて間もない赤ちゃんを預かった。時蔵の妻はお乳を含ませ、赤ちゃんは育った。夫婦から赤子を貰い江戸に帰った。赤子が又吉だった。
 道喜はたつから貰った扇子の絵を書いた人を探していた。吉原の遊女・梅里の父親が書いた絵だという。たつは落款の幽仙を探し出した。幽仙は大坂の商人だった。江戸店に娘を探しに来ていた。梅里は手代・直介と大坂を飛び出し、藤沢宿で赤子を産み、直介に売られていた。
 時蔵は亡くなり、又吉は岩五郎夫婦が引き取っていた。弥之助は藤沢に行き、二組の夫婦の名前を調べ、又吉が幽仙の孫であることが分かった。直介は昔の同僚にお嬢さんが吉原にいることを伝える。直介も病気だった。又吉は引き取られた。養父母の墓を建てたいと要望した。
 たずは元は花岡藩江戸屋敷の奥を取り締まっていた。多津の部屋子美佐は側室になり男の子を産んだ。病気になった美佐は息子・吉次朗を屋敷から出した。五年前、女中と吉次朗がいなくなり、正室の跡継ぎは疱瘡の後重い障害が残ったため吉次朗を探し出すことになった。多津は屋敷をでて吉次朗を探していた。
 

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