町触れ同心公事宿始末 日照雨そばえ 藍川慶次郎
公事宿・鈴屋の女将・寿々 公事宿・常陸屋の三男・彦三郎が入り婿になった。翌年父・与兵衛が亡くなり、一年足らずで彦三郎も亡くなったのが七年前だった。
与兵衛が可愛がっていた多門慎吾(倉田慎吾) 実兄は勘定奉行所の同心。三男のため多門家に養子に入っていた。今は南町奉行所の町触れ同心
慎吾の道場仲間・白樫寛十郎 南町奉行所定町廻り同心
日照雨 相模の国の川名の石屋・弥兵衛が鈴屋に来る。息子・弥太郎が腰越の漁師の娘・浜を嫁入先の小坪の網元との祝言の夜、勾引かしたと訴えられた。浜の親元・潮五郎と嫁ぎ先の勝蔵、勝次親子が訴訟に持ち込み、弥兵衛の田畑で弁償しろと言っている。百八十日が過ぎると弥太郎は無宿になるという期限までついてくる。
親の勝蔵が浜を狙っていた。浜は逃げた。逃げた先に言い交わしていた弥太郎がいた。一緒に品川に隠れていた。弥兵衛の田畑も手に入れようとした勝蔵親子は二人を見つけ出しどこかに閉じこめようとした。慎吾と願人坊主たちが二人を助け出す。浜を寿々の伯母がいる鎌倉の東慶寺に入れた。
母恋風車 川口の金貸し業・沢田屋庄八に訴えられている川口の漆器屋・西田屋幸右衛門の息子・幸吉10才が一人で訪ねてきた。庄八は先代・幸右衛門の署名がある五百六十両の借用証文を持っていた。幸右衛門は印判を使うはずだから偽物だと言っていた。
幸吉の母親・きよは失踪した。幸吉は江戸に来た。幸右衛門は連れ去られた。きよが見付かった。証文の爪印は先代の後妻・松のものと気がついたきよは、遊び人に脅され幸吉を守るために家を出た。幸右衛門は家を手放すという証文に爪印を捺すように脅されていた。幸吉を預かっているといわれ、爪印を捺す。慎吾は川口へ行き、お家さんと沢田屋と親分と呼ばれる丑五郎の企みを聞き出し、代官所の役人を呼ぶ。寛十郎は沢田屋の出店から幸吉を助け出す。出入物から吟味物になり、西田屋の身代は守られた。
赤い涙 慎吾が怪我人・兼吉を運び入れたことで巻き込まれる。兼吉は訴状を持っていた。尾花沢代官所から中村村宗右衛門に貸し付けた二千両は相沢久太夫が着服、罪を貸付窓口・元締め手代に擦りつけた。大石田村利兵衛が紅花問屋茜屋喜兵衛と抜荷をし、隠蔽されたこと。が調べられていた。慎吾は兄・倉田平四郎の所へ走り、代官所江戸詰めの二人は役を解かれ兼吉を襲ったことで町方に捕らえられる。茜屋も捕らえられる。訴えのために身を売った美津も助け出される。
千両の夢 鈴屋の中居・梶の妹の夫・又八が富くじで千両を当てた。今までに富くじを当てた者が三人なくなっていた。又八の女房とその親が連れて行かれた。又八はお囮になった。三人を人質にしされているためまんまと金箱を持っていかれた。金箱のなかは鬼瓦だった。人質は助けられ捕まった。
真貫流 平山行蔵
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