よろず占い処陰陽師屋へようこそ 天野頌子
東京都北区王子 駅の南側の昔ながらの商店街のビルの地下に陰陽屋が開店した。店長は安倍祥明。ここでアルバイトをすることになった沢崎瞬太。母親・みどりが王子稲荷で拾った子どもだった。興奮すると目が光り、耳が上に上がり狐の耳になるり、狐のしっぽが現れる。親も瞬太も一生懸命隠している。小学校の同級生はみんな知っていた。知らない振りをしていた。陰陽屋のバイトでは耳もしっぽも出し、本物でやっている。中学で一緒になった委員長こと高坂史尋は瞬太に興味を持っていたが、気付かない振りをしてやれと言われた。
祥明は祥明命の過保護ママに育てられた。安倍家は何代も続く学者の家で書庫には膨大な書物のコレクションある。祖父は民族学者、父は宗教学者、祥明も陰陽師について研究者だった。夜も寝ないで片手で食べられる食事をする祥明を見て、このままでは身体を壊すとパソコンに一リットルのジュースを掛けた。そんな家から出ていたのだった。
「カリスマホスト、陰陽師に転職して人助け」そんな記事が新聞に出たため母親がやってきた。
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