風の王国〈10〉 草原の風の如く 完 平谷美樹
白頭山の噴火は何度も起こり、南渤海の民を別の地域に移してゆく。
高元譲を討つために上京龍泉府 忽汗城で手引きし、協力してくれた元渤海の遣日本使・裴璆と賀伯端に 高麗や南唐、呉越、南漢、楚まで南渤海の民の受け入れを要請する使者として旅立って貰う。東日流にも民を送った。
二人の協力を得、忽汗城内に入り込んだ明秀・勇魚・蓮姫・チョルモンと二百人の東日流人によって忽汗城は落ちた。一人忽汗城から逃亡した高元譲も明秀が父母の敵として討ち取った。
尭骨は晋との戦いには勝った。だが晋の反乱を平らかに治めることは出来なかった。兀欲は薬で尭骨を殺した。季胡が皇太子だが兀欲が即位した。
突欲は晋から分捕った船で麗津を攻める。東日流軍は何個もの仕掛けで猖獗兵を殺すが数が多い猖獗兵は麗津に入り込んできた。麗津のことを知り尽くしている突欲。民の隠れている洞窟へ行く。突欲の息子・隆先も芳蘭も戦うことを決意した。夕凪の中の橘と亡くなった石奈と木垂の術で動けなくなった突欲を芳蘭が殺し、芳蘭も自死する。洞窟から皆を出し、洞窟は爆破される。陵墓とされた。
東日流軍は東日流に引き揚げた。勇魚も帰った。
明秀は夕凪と北に向かった。何年か経つ。明秀は勇魚を待っている。ひとっ走りといいながら東日流の船が着く千キロ先の吐号浦まで行く。夕凪も続く。チョルモンは一人で羊を柵に入れる。
隆先と道隠は二人で父親の話をする。これからどうするか二人で考える。
月理朶は契丹の未来を見る。兀欲は耶津安端の息子に殺され、尭骨の息子・述律が継ぐ。述律の死後五代に渡り突欲の血を継ぐ者が皇帝となる。百数十年大遼が続くらしい。
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