風烈廻り与力・青柳剣一郎㊴ 伽羅の残香 小杉健治
伽羅に似た香りの鬢付け油が大人気の「錦屋」の主・卯三郎は、何でも他人のものを金で奪い取ると評判だった。卯三郎を尾けていた男が殺された。剣一郎は卯三郎と錦屋を探る。
卯三郎は金を出し手に入れたものを、少しすると返していた。飽きたからという理由だが、元の持ち主は卯三郎に感謝している。子どもの風車、龍の香炉、大工の女房。
錦屋の伽羅は本物だった。卯三郎の幼馴染みの父親は念仏の五郎という盗賊だった。
元々の伽羅・鬼涙の持ち主は小野家の所有だった。鬼涙を欲しがった商人泉州屋に借金があった瀬戸家は、盗人・十蔵に鬼涙を盗ませ、泉州屋に渡していた。十蔵は殺された。仲間の五郎は泉州屋から鬼涙を盗んで、錦屋の鬢付け油の香りに使っていた。小野家の殿様は瀬戸家と泉州屋を殺そうとした。瀬戸家は家臣・吉富が勝ってにしたこととし、小野家の草間が吉富を討ち、泉州屋を討った。草間は小野家を出、浪人となり剣一郎に討たれた。
五郎は卯三郎に人のためになるようにお金を使ってくれるように頼んで死んだ。
剣一郎の妻・多恵の実家を継いでいる弟・高四郎の病気が重い。剣一郎の探索を手伝っていた文七は多恵の腹違いの弟だった。高四郎は文七に湯浅家を継いで欲しいという。
剣一郎の探索の手伝いは猫の蚤取りをしている太助がしている。
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