鬼役17 慟哭 坂岡真
天保十年 1839年霜月
近衛家の頼みで津軽下屋敷の池の浮き床の上で蔵人介は能を舞う。津軽の米を横流しする商人と用人の首が飛んだ。横流しの証拠をつかむために商人の用心棒になっていた平内は藩に復帰した。津軽の当主は松平信明の五男になった。
卯三郎は男装の娘を助け仇討ちの助太刀をすることにした。
鳥取藩池田家の鏡野新兵衛が斬られ、斬った名和数之進が旗本二千五百石の赤岩家へ逃げ込んだ。名和は江戸所払いになる。鏡野の兄妹(兄は病気妹は卯三郎が助けた娘)は六郷で仇討ちをする。志乃、幸恵、蔵人介、卯三郎も手を貸す。娘は国許へ帰った。
本丸側御用取次ぎ・郡上院伊賀守と葛城惣次の、池田家と家斉の娘・泰姫との婚礼を潰すための策略だった。
五年前に薩摩藩の抜け荷を見逃した幕府。蔵人介の実父・叶孫兵衛が昔の上役に薩摩藩家老・調所笑左衛門への書き付けを預かる。西国屋と勘定奉行・阿久津、御庭番の束ね役になる寸前の神園半太夫、郡上院伊賀守が、薩摩の抜け荷を利用し私服を肥やす様が書かれていた。蔵人介は郡上院も殺した。
孫兵衛は死ぬ。蔵人介は孫兵衛が薩摩から出国するために利用した子供だった。蔵人介も思い出していた。
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