2016年1月22日金曜日

はぐれ名医診療暦

はぐれ名医診療暦 春思の人 和田はつ子
 里永克生 医者 十年ぶりに江戸に帰った。
 据物師小田孝右衛門 処刑人、刀の鑑定師八代目当主 妻・陽恵(はるえ)は倉本和之進の妹
 倉本和之進 南町奉行所定町廻り同心
 
 克生の診療所は歯抜きの患者ばかりだった。歯抜きをした子供の父親の舌岩を見付け手術する。両替屋善田屋松右衛門が両隣を買い養生が出来る診療所を建てた。
 若い大工が足の切断手術をし、居職の箱屋の仕事をすることにした。
 三楽亭遊平次は誰にも言わず、治療を拒んでいた痔瘻の手術をした。
 助手が決まった。三枝玄斎の娘・沙織。試験の日、二人の妊婦が来院した。沙織は心臓の弱った妊婦から死胎児を取り出した。三日陣痛に苦しんでいる妊婦は、克生が腹部を開いて胎児を取り出した。沙織は手術の助手をし、縫合もした。
 大名に造鼻術を施すことになった。克生は松右衛門に作ってもらうために横浜へ新しい器具を見に行くことが出来た。
 
大村益次郎に頼まれる。ヘボンの助手・フィルが殺された。殺した者を探し当てヘボン先生を安心させてほしい。克生は新妻シンディと三人の褥婦を死なせ患者が来なくなった医師ルークの殺人を暴いた。シンディはフィルが遠縁の叔父から入った遺産をヘボンの医療に投じることを恐れたのだった。

克生は十年前、ヘボンの西洋医術に触れながら、川崎の松山桂庵の許で治療法 薬草学を学んでいた。薬草園の世話をしていた娘・美和に惹かれた。桂庵と美和はコロリで亡くなった。克生はいたたまれなく、若さに任せ、女を求め、酒を求め、剣に慢心していた自分への罰だと思い、長崎へ行き、剣を捨て、酒を慎んで医療に邁進してきた。
 
ヘボンの所にいた時、虫垂炎の手術で亡くなった遺体を開腹し死因を調べたことがある。その時の夫が刀を片手に乗り込んできた。養子に入って間がなかった男は浪人になっていた。目の前で虫垂炎の手術をする。大事な女が病に罹っても助けられなかったと言う話をする克生に、刀を振り降ろした。お前も俺も、死に場所を探していたんだな。二人の弱い心を斬った。診療所を出て行く。

松右衛門親子が犬や、猫になった。克生は謎を解く。犬と猫が飼われて居る家の犬と猫若い娘が狙われる事件が続いた。旗本・藤井策之介だった。八年前の妻の死が関係する事が分かり藤井と話し、松右衛門と話し、松太郎にも話し元に戻った。藤井は自死した。

克生は心臓の手術をする。たまたまの成功であの手術のことは忘れてくれという。

コロリを水とニンニクで乗り切り倉本和之進と三枝沙織は祝言を挙げた。
この本は 大江戸ドクターの改題したもの

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