新・神楽坂咲花堂2 湖底の月 井川香四郎
魔境の女 油問屋「淡路屋」二人の娘と「天下一川島肥前守左之吉」という鏡職人。
介錯剣法 高積見廻りの成仏御用の里村孝之進は亡くなった人の縁者を探している。
亡くなった男の妻と娘を見付けたが新しい父親が、合わせたくないようだ。
過日、娘が里村に話しに来た。亡くなった父親と母親の兄は親友だった。家老の不正を見付けた二人は証拠を見付け、江戸家老に訴えようとした。が母の兄が不正をしたようにされ、切腹になった。父親は藩主に訴えたが、藩主は見て見ぬふりをしていた。不正の金は藩主の若年寄になるための賄賂に使われていた。幕府に訴えたが、岩槻藩主は若年寄になった。父親は世捨て人のようになった。母は娘を抱いて川に飛び込もうとした時に今の父に助けられたのだった。
咲花堂が渡し損ねた同田貫正国で殺されたと思われていた、中間と老婆は匕首と包丁で殺されていた。中間を殺して奪った同田貫正国を売り払っていたのは、老婆が捨てた息子だった。また老婆・母親を殺したのも息子だった。息子曰く、殺してくれと母親に頼まれた。
浮夜船 綸太郎の姉・美津は、覚兵衛が勘八に浮世絵師・岩橋籐十郎を殺すように命令しているのを聞いてしまう。籐十郎はあぶな絵を描くために結婚を迫る娘を次々に捨ててきたために狙われるのかと思われた。覚兵衛に殺すように言ったのは猿屋町会所見廻り与力・室田左之亮だった。猿屋町会所は旗本のための貸付会所。
籐十郎が室田を見、兄の仇という。室田は養子になっていた、籐十郎と顔を合わせる前に殺そうとしたのだった。籐十郎は仇討ちのために一生を費やしたくなく脱藩していた。
室田は会所での不正のため切腹になった。
湖底の月 天平十五年 743年 大仏殿の大木を探した樵・絽安と田の民愛良が結婚を控えたその日、二人は盗賊により引き裂かれた。
何度も生まれ変わり、お婆ちゃんと赤ちゃんだったり、戦う敵同士だったり。
綸太郎は円面硯を持って来たとっかえべえの広吉の夢の話を聞く。円面硯を持って行った「藤屋」の娘おけいも同じ夢の話をする。
広吉とおけいは絽安と愛良だったことを確信する。
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