質屋籐十郎隠御用(四) 恋飛脚 小杉健治
万屋に竹之丞の財布を質入れした大阪の掏摸・半助が殺された。籐十郎は財布から大阪の質屋の質札を見付ける。
籐十郎は大阪の鴻池に返礼に行く。鴻池の娘・そのとの縁談があるが、籐十郎にはその気がない。おつやに待っていて欲しいと手紙を託す。
蝮の吾平は鴻池がどこの商家にどれほど食い込んでいるか調べている。半助殺しの犯人を追いかけている。鴻池戸の江戸の根城「子鹿屋」を調べて奉行所にも手が回り、吾平は十手を返上する。襲われ半月以上動けなかった。
籐十郎はおそのと好き合っていた徳太郎に頼まれたという一味に二度襲われる。鴻池と言う名を出さずに籐十郎を殺したかったようだ。仕組んだのは吉弥だった。籐十郎の用心棒・如月源太郎に助けられる。如月源太郎は大阪にいたことがあるようだった。
籐十郎は大阪で、竹之丞が喜多尾太夫と心中事件を起こしたとされている事件を解明した。公卿(一条実冬)が喜多尾太夫を殺し、部屋に飛び込んだ竹之丞に鴻池が罪をかぶせた。そこから逃げた公卿を半助が追い、身元を突き止めた半助が鴻池を強請った。逃げた半助は江戸で殺された。証拠は竹之丞が質屋に預けた二重底の文箱の中の喜多尾太夫の文に書かれていた。鴻池善右衛門に全てを突きつけた。分家の庄右衛門がしたことで善右衛門が知らない所でされていたようだ。庄右衛門は裏鴻池に近く、半助を殺した吉弥は裏鴻池だった。
善右衛門は籐十郎をおそのの婿にし、裏鴻池と闘うつもりだったようだ。裏鴻池の力がつよくなり善右衛門は押さえきれなくなっているようだ籐十郎は思った。
おそのとの縁談はなかったことになり江戸へ帰る。
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