2016年1月13日水曜日

楠の実が熟すまで

楠の実が熟すまで 諸田玲子
 大阪北東部楠葉村の中井利津21は隠密御用で禁裏役人の不正を見付けるために、禁裏口向役人御取次ぎ衆・高屋遠江守康昆32所へ嫁に行く。別の方法で調べていた者が三人殺されている。楠の実が熟するまでに調べなければならない。
 高屋家の老僕・忠助が殺された。女中のなかも殺された。
 利津は分かったことを書き送り、それを元に役所で調べていた。証拠の品の在り処も連絡する。
 「父倒れる」の手紙で実家に帰った利津は、知らない間に三下り半を貰っていた。
 康昆の母方の叔父・万屋の石上伝兵衛が大元だった。刺客は康昆の弟・右近だった。伝兵衛が利津を殺しに来た時、右近は助けに来た。相討ちになる。康昆が右近に利津を守るように頼んでいた。千代丸(康昆の息子)を頼むと言い残し右近は死ぬ。
 康昆は不正を知っていながら目を瞑っていた罪で遠島、子供は14才で中追放になる。利津は千代丸を引き取る。楠葉村は中追放の地になる。

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