2016年1月28日木曜日

お鳥見女房6

お鳥見女房6 幽霊の涙 諸田玲子
 幽霊の涙 久右衛門の初盆、久右衛門の幽霊の噂、久右衛門とよく似た、幼馴染み・安木市兵衛だった。三日間矢島家に泊まり、昔話しをし、法要を終えて帰った。
久太郎に陰の任務が命ぜられた。彦根井伊藩と川越藩松平家の相模の海岸防備の様子を探る。
 春いちばん 正月前から登美が居候している。
阿部伊勢守下屋敷の火事の後、源太郎が尋常でない娘・波智を連れてくる。六日目、源太郎に兄と田舎に帰ると手紙を残しいなくなった。数日後、阿部家の郎党と侍女が心中したと久太郎と久之助が話していた。事実は解らない。珠世は侍女は波智だと思った。
久太郎は相模へ行ったり帰ったりしている。
 ボタモチと恋 夏始め、小日向の久之助と永坂けに夫婦養子に入っている綾が流産した。
夏盛り、里18が源太夫が縁談を片っ端から断わるので珠世に相談に来る。珠世は松前藩工藤伊三衛門の孫・三十郎と里が話しをする機会を、久右衛門の盂蘭盆会の時に作った。工藤と会っていることを頭ごなしに叱られた里は大雨の中家を飛び出す。鬼子母神で見付かり、珠世の執り成しで源太夫も納得。工藤家との縁談が整った。
久太郎は相模に滞在して時折一日二日帰ってくるようになっていた。久太郎は農家の下働きの治助に道案内をしてもらっていた。命綱を丸太に括られ、丸太は久太郎の身体を崖を引きずり落とした。
 鷹は知っている 秋、伴之助は御鳥見役見習い上がり・桜木恭兵衛と鷹調教を見た次の日、紀州家の鷹が逃げ、怪我人が出たことで、「遠慮」という軽い謹慎刑になった。恵以は知り合いに調べてもらう。調べ書きを桜木が矢島家に持参した。珠世は桜木に「自分の落ち度でこれから先のある若者にとばっちりが及んでは悔やんでも悔やみきれない」と言っていたと伝える。調べ書きは燃やした。伴之助は進退伺いを出すつもりだったが、遠慮も無かったことになった。鷹が自ら非を申し出て詫びたという。
久太郎は祖父・彦三と娘・波矢17で村から離れて暮らす二人に助けられた。誰かが殺そうとしたことを教えられた。
 福寿草 お正月にも久太郎は帰らなかった。登美が年頃の娘を集めて礼儀作法を教えている。
秋は、心をときめかせた男に口を吸われ、顔をひっかいて突き飛ばし孕んだと珠世に相談する。
久太郎は記憶が戻らない振りをしている。折れた足は引きずりながら支えが無くても歩けるようになった。同僚の石川幸三郎が探しに来た。二人の恩に対しこのまま出て行くことはできなかった。どう別れを告げればいいか。
 白暁 桃の節句 久太郎が二人に別れを告げようと思っている頃、源次郎が鳥見役の矢島久太郎を探しに来た。源次郎が危ない、久太郎は農家へ行く。治助に捕まっている源次郎、久太郎が飛びががったとき、波矢が治助を短刀で刺し逃げた。恵以が来た。久太郎は帰った。
久太郎は恩人の心を踏みにじったことに後ろめたさを感じていた。
 海辺の朝 更衣 波矢が治助に命令した者の事を知らせに来た。新式銃を開発している豪農だった。珠世は波矢に久太郎は厄介に巻き込みたくなくて何も告げずに立ち去ったという。探索はもうやめよとも。四家町の辰吉親分に波矢を見てきて欲しいと頼む。
君江は女児を産んだ。
六月 波矢が崖から落ちて亡くなった事を知る。久太郎と恵以には告げず、珠世は辰吉と相模へ行く。火事で孤児になった敏捷で腕白な少年・長太を連れて行く。彦三の小屋で一泊し墓に参る。恵以からもらった鷹の尾鈴を供える。長太は彦三について行く。

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