2016年1月29日金曜日

便り屋お葉日月抄9

便り屋お葉日月抄9 忘憂草(わすれぐさ) 今井絵美子
 花卯木 山源の総元締が病気で寝込んでいた。八年前から消息不明の息子・源一郎を探して会えるようにして欲しいと頼まれる。百両を預かる。一緒に住んでいる君香は病気で寝ていた。
 はたた神 源次郎は父親の見舞いに行った。
戸田龍之介の道場仲間だった小弥太は重陽(九月九日)に桜木家に養子に入った。三月に赤児が産まれた。龍之介は小弥太が妻・登和に他に好いた相手がいて、今後もその男との関係を続けていくことに納得して養子に入ったことを知っている。小弥太とは養子に行ってから連絡が取れなくなっている。小弥太の腹違いの姉・三智に話す。
山源の総元締が亡くなった。源一郎を誘って通夜に行く。
 忘憂草 友造の妹・胡蝶・加代は二年前に死んでいた。伏見屋に身請けされた加代は伏見屋が左前になった時、二十両で絵草紙屋江戸一に売られた。加代はそのお金で伏見屋に頑張って欲しかったが、伏見屋は気力をなくし病気になって医者にも罹らず寝ていた。加代は江戸一の寮で気鬱になり労咳で亡くなった。伏見屋に加代が亡くなっていたことを伝える。
 雁が音 文哉の養女になったみすずの父親・伊佐治が島流しの原因になった娘・内儀になっている・萩乃が名乗り出なくて済みませんでしたと謝りに来る。伊佐治は島で目が見えなくなっている。今は篠笛で生活している。萩乃に、何か胸に抱えているようだが、坊のために強く生きろという。
伏見屋が亡くなる。加代の墓がある江戸一の庭に葬る。友造とお蝶の祝言は重陽に決まった。

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