2016年1月28日木曜日

お鳥見女房7

お鳥見女房7 来春まで  諸田玲子
 女ごころ 残暑が去る 石原家の長女・里が祝言を挙げた。小十人組に嫁いだ幸江の嫡男・新太郎は元服して来春からお役目見習いに出る。
綾は裏店に住む赤ちゃんを抱いた女・おとりと一緒に長屋に入る久之助を見、永坂家のために身を退くと書き置きを残し、加納家に帰る。話しを聞いた珠世はおとりを連れて加納家に行った。綾に君江の娘・久江の乳母になる紹介の礼を言った。また、求馬と夫婦になれるよう加納重五郎にお願いして欲しいという。おとりの子は求馬の子だった。求馬は養子にはいり、仕官もしていた。久之助と綾は余計な気を使いすぎて隠し事をしたことを反省した。
手あぶりが欲しい季節 久之助と綾は求馬とおとりの子供を育てることにした。求馬は喧嘩をし、役を解かれ、近藤家から勘当され、子供を置き去りにしておとりと出奔した。光之助と名付けた。
 新春の客 正月過ぎ 松井次左衛門が山形から来た。恵以の父、和知正太夫が亡くなり、遺書と形見の品を持って江戸へ帰って来ていた。もうすぐ出産の恵以に言いづらく、無事生まれるまでは伏せておこうと思っていた。矢島家に居候する。
恵以は女児を出産、沙耶(恵以の母親の名)と名付けた。久太郎が恵以に言わない前に登美から父親の死を知らされ、恵以は久右衛門の墓に参った。遺書を読み、私は大丈夫ですという恵以。
 社の森の殺人 松井次左衛門は仕官先を探していた。
久之助は見習いを終え、大番組与力となり一年間上方在番を命じられ、夫婦共々大阪へ出立した。
経師屋の内儀が殺され、みみずく売りのお婆さんが殺される。みみずく売りの婆さんは経師屋を殺した者を強請っていたようだ。しゃぼん玉売りの籐助が珠世に経師屋の内儀の死体が見付かる前の日に袴を洗っている侍を見たという。小普請から表火の番のお役に付いた妻が病気の侍だった。久之助に相談し、籐助が囮になった。籐助が首を絞められ川へ突き落とされそうになり侍は捕まった。経師屋の貢がせお役を得た。籐助は侍の妻女を思い涙した。
 七夕の人 矢島家に庄助がお礼に来る。昔、ちまき泥棒をして食べ過ぎ秋に薬を貰い、す数珠の一粒を置いて行った。珠世は数珠屋と掛け合い罪に問われないようにした。庄助は瀬戸へ陶器作りの修業に行く。王子の庄屋だったが、父の死後腹違いの弟が庄屋になり庄助は奉公に出された。庄助は姉の墓参りをして旅立つ。秋に恋心が芽生えた。
源次郎は娘に狼藉を働く輩を見付けて懲らしめて欲しいと依頼される。道場破りにきた赤越弁之丞を面通ししてもらい、勝負した。菅沼隼人が徒目付けとして捕まえて行った。
 蝸牛 与助が菊の鉢を届けてくれる。
旗本が多津の息子・多門を養子にするという。稲垣家の家老からの話しで断わるのは難しい。隼人に旗本を調べてもらう。異母弟に継がせようとする親類縁者と養子を希望する正室の養兄の間で争いがあった。夫を亡くし、子供を亡くした正室は自害した。家は取り潰された。
 鷹匠の妻 鷹匠・津村八右衛門は自分が育てた鷹を恩師の息子に上げる約束をしていた。鷹が素晴らしく、将軍家の目に留まりそうだ。その前に盗み出して送ってしまった。
伴之助は詮議を受けた。珠世は次左衛門に調べてもらい尾張の鷹匠の惣兵衛の妻に会う。
尾張から、逃げた鷹が迷い込んでいたと知らせがあり、捕まえてきたと久太郎と石川が鷹を持って来た。惣兵衛の息子・惣一郎が挨拶をした。母の手紙を渡す。鷹狩を見せてもらう。
正月晦日惣兵衛は亡くなった。妻・志野は寺に入る。お礼と報告にきた。志野と津村は不儀の関係だったことがあった。惣兵衛は許していた。
伴之助は隠居することにした。
 来春まで 桜の季節になっても籐助が来ない。少しの手掛かりを探して長屋を見付ける。病気の籐助を矢島家に連れて来る。少し動けるようになった頃、籐助はいなくなった。珠世は籐助が行かなければならない所へ行ったのだと思う。昔、お世話になった三河万歳の師匠の家族の所へ。

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