2016年1月18日月曜日

髪結い伊三次捕物余話

髪結い伊三次捕物余話 竃河岸 宇江佐真理
 空似 伊三次によく似た居酒屋の亭主が殺しの容疑で捕まる。龍之進30才は武家で怪しい者がいるのに調べないで伊三郎を下手人にしてしまえば話しは早いと考えているのかと喜六や上役にいう。武家の馬廻り役の者が白状した。龍之進の妻・きいは伊三郎の疑いが晴れて喜び、伊三郎と伊三次がすれ違うのを見て喜んだ。
 流れる雲の影 生後一年の栄一郎を負ぶってきいはどこにでも行く。きいたち姉弟を捨てた母親を許せないきいだが、商家に入れてもらえないで亡くなった主の死を悼む、息子、娘、孫をみて許す気になった。伯母から漁師と再婚していることも告げられ安心する。
 竃河岸 不破友之進の岡っ引き・増蔵が引退する。龍之進が本所無頼派の首領だった旗本・薬師寺次郎衛を岡っ引きにしたいと言う。次郎衛は今、竃河岸で子供相手の駄菓子屋をしている。昔の捕まえ損ねた相手だ。仲間の許可を貰おうとするが、昔次郎衛の仲間だった喜六は反対する。喜六と次郎衛が会い、次郎衛は喜六は昔のことを無かったことにしている。自分はやった事は認めて付き合ってくれる龍之進と付き合う。という。
 車軸の雨 次郎衛は父親から勘当されていた。死に際でも次郎衛を跡継ぎにしなかった。叔父の息子を養子にした。次郎衛は増蔵のところに岡っ引きの勉強に行く。誰も使わない正吉を次郎衛は下っ引きとして使うことにする。次郎衛の女房は芸者だった。昔、龍之進から遠ざけるために、お文に日本橋を追い出されていた。浜町河岸で次郎衛に会って一緒に暮らしている。次郎衛が屋敷に帰り、捨てられたかと心配時、お文に信じろと言われる。
 暇乞い 茜がいる松前藩の下屋敷に、三省院鶴子の五男・松前藩家老・蠣崎昌年・絵師が滞在した。昌年は伊与太を呼んだ。伊与太は浮世絵ではない本画に近い。と言われ褒められ、絵筆と絵の具を貰った。弟弟子・芳太郎が眼を掛けられ山水画を描いているらしい。芳太郎が絵の具・濃べろと筆を盗んでいた。伊与太は国直の所を出た。行く所がない伊与太は北斎の所に行く。伊与太は残っていた絵の具を北斎に置いて行った。北斎に貰った結髪亭北与と言う名で信州に行く。国直は芳太郎が伊与太の絵の具を盗んだ事を知った。
 ほろ苦く、ほの甘く 国直はお文に伊与太が信州に行ったことを伝えた。伊与太は茜に絵で信州に居ることを伝えた。結髪亭北与の名で。茜は世の中の流れに身を任せることだけは決してするまいと誓った。北斎は引っ越した。

松前藩が梁川に領地替えになるのは文化四年1807年、その前に寛政十一年1799年に東蝦夷を取り上げられる。

みんなこれ以上年を取らないのか。残念。もっとみていたかった。

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