2016年1月15日金曜日

お鳥見女房3

お鳥見女房3 鷹姫さま 諸田玲子
 雪夜の客 向かいの空き地に建った屋敷の若夫婦がお付き合いをしない。雪の夜女が訪ねて追い出される。珠世は一晩泊める。声を掛けてきた古谷は、女との関係を打ち明ける。妻がいない日に夫は女と会っていた。息子がその夜に亡くなっていた。珠世は女はもう、会いに来ない。忘れなさい。子供を亡くした奥様はつらいのだから。と諭す。
 鷹姫さま 老中水野越前守忠邦の鷹匠・和知正太夫の三女・恵以22才との縁談が持ち上がる。久太郎は身分違いということで断わった。恵以が希望したようだ。婚家のつてで出世したいと思わない。和知本人に言う。
 合歓の花 君江が好きな菅沼隼人の縁談が整ったと久之助と道場仲間が話しているのを聞いてしまう。隼人が久之助の誤解を解いている頃、君江は泣きながら歩いている所、怪しい老婆と一緒の所を目撃され、居所が解らなくなっていた。珠世は菅沼の伊和と結婚の話を決めていた。君江を見付けた隼人は送って行った時、君江を嫁に欲しいと言った。
草雲雀 久太郎は再び恵以に会った。恥をかかされたという恵以に、久太郎は嫌って断わったわけではない。矢島家の嫡男として思う所がありという久太郎に恵以は勝負を挑む。
久右衛門の家を探して娘が来る。久右衛門は死んだと思っているようだ。渡されたのは古い着物だった。久右衛門が考え込むようになった。久之助は家の様子を窺う綾と話す。久右衛門が役目で甲府にいた時のはなしだった。久之助にも少し分かるようになった。話せるようになったら話すということにした。久右衛門は玄太夫に話した。役目で斬らなくてはならない男に斬る段に妻子を頼むと言われた。罪滅ぼしだったか、見過ごしに出来なかった。共に暮らした。このまま暮らそうか。適わぬ事だった。敵に襲われ深手を追い、九死に一生を得て江戸に戻った。母子に危難が降りかからぬよう死んだ事にした。と言ことだった。久右衛門は墓に一緒に入れて欲しいと着物を源太夫に託した。
 嵐の置き土産 嵐がやって来た。水があふれ、源太夫親子と母屋の庄兵衛が一晩過ごした。ずぶ濡れで男が入り口に立った。珠世は庄兵衛の勘当した長男・庄吉だと思った。次の日死んで見付かった。悪党の一味だったが、庄兵衛は庄吉だと思ったようだ。
 鷹盗人 御鷹屋敷の飼育中の鷹が3羽盗まれていた。鷹狩りでは鷹を狙って弓を射られた。木から落ちて肋骨を折り頭を打ち気が付かない。こっそり伴之助が助けている。佐吉14才で父は御鳥見役で五年前に役目先で亡くなっている。母親は再婚したが新しい父親に馴染まない。母親・幾久が伴之助に相談にきていた。足に縄を付けた鷹を二匹捕獲した佐吉は治り、剣道場へ通うようになった。
 しゃぼん玉 因縁を付けられた、稲垣家物頭岡田の息子・左金次は手合わせをするのに素手で好きなように打ち込んでください。という。シャボン玉売りの藤吉がしゃぼん玉をとばしながら子供を三四十人連れて出てくる。若者たちは二度と顔を出すなと駆け出して行った。源太夫は稲垣藩に仕官が決まった。
 一輪草 源太夫は稲垣藩下屋敷に引っ越しした。君江は結婚した。珠世の従姉妹の登美が世話をやき、整えてくれた。登美は学問所勤番組頭に嫁いでいた。夫は亡くなりなさぬ仲の娘が婿をとっているようだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿