烈風廻り与力・青柳剣一郎5 七福神殺し 小杉健治
悪名高い豪商を狙い、誰も傷つけない。盗むのは五百両以内。七福神の面を着けた七人の盗賊が現れた。剣一郎は御奉行から捕縛の命令を受けた。
次々と盗賊の一味と思われる者が殺されて行く。仲間の顔を知っているのは市兵衛と喜八だけで後は誰も名前も顔も知らない者の集まりだった。高砂屋に押し入った時、喜八は声で知られてしまう。次に押し入るつもりだった油問屋浅野屋に知られてしまった。浅野屋は市兵衛を知っており、喜八に聞き出した七福神の仲間を用心棒に殺させる。市兵衛は腕のいい貧乏人でも丁寧に診てくれる康安という医者のためのお金を集めていた。寄付を募るが相手にもしてくれなかった店に盗みに入っていた。七福神の仲間はみんな康安の世話になった人達だった。
高い治療代を取り、貧乏人は診てくれない道拓という医者の息子の嫁が浅野屋の娘だった。康安の評判が良く、道拓の患者が康安のところへ行くようになっていた。
高砂屋は息子が血を吐き、康安に診て貰ったことと、喜八を殺すという事を聞いたことで、剣一郎に浅野屋がした事を全て話す気になった。市兵衛も殺され、七福神の中で残った三人の顔も名前も知られている。三人は自首をしようとした。御奉行と相談して剣一郎は三人を江戸から逃がす。浅野屋に命令され殺していた伏木為三郎を捕らえ、浅野屋も罪を認めた。
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