知らぬが半兵衛手控帖 2 投げ文 藤井邦夫
勾引かし 呉服商「菱野屋」の主・平左衛門が勾引かされ三百両を要求された。菱野屋の内儀と若旦那・平吉はお金を出す気がないらしい。主が亡くなり、手代だった男を婿にしていた。勾引かしは狂言だった。平左衛門の恩人の息子を助けるために必要なお金だった。お金を渡し、居なくなるつもりの平左衛門に半兵衛はお金を取られて平左衛門も帰らないではこちらが困る。平左衛門に店の者が待ってるよと伝える。店は平左衛門で持っているのだ。
残り火 半兵衛が手札を渡した半次の住んでいる長屋に病気の浪人・柴田平蔵がいた。北町奉行所の養生所廻り同心・神代新吾に頼み、養生所に入る。柴田平蔵は敵持ちだった。討っ手の成島源之丞は身を持ち崩し職人殺しで追われていた。桑名藩は源之丞を江戸から逃がしながら朱引き外で殺す。柴田は源之丞が生きている間に名乗る。半兵衛は桑名藩と掛け合い、職人の家族に見舞金を出す。柴田は病で亡くなり、娘・鈴は養生所で働きながら産婆になろうと思う。
雨宿り 筆問屋「一風堂」の主が殺された。武家の内儀と一緒にいたという。素人の娘や内儀を斡旋する「蛍や」の板前・作造が、外で待っていた一風堂の主を殺していた。作造を殺人だけで捕まえ、名簿を燃やした。
投げ文 鬼薊の清造一味がいつも逃げ込んで、消える長屋がある。半兵衛は探索で仲間を割り出した。盗賊一味に雇われている船頭の娘・ふくは新吾の母・菊枝干し物を届ける時、字を習っている。ふくが父親・久助のことを知らせる。子が訴えるのは親不孝とされる。親不孝でもいい、今のうちにお縄にしてもらい命を助けて欲しいと訴える。
押し入った越前屋から逃げた清造をいつもの長屋で捕まえるが、船頭を盾にする。船頭にふくの気持ちを伝える。久助は金を貰って船を漕いだだけだということで通した。
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