長谷川平蔵人足寄場 平之助事件帖1 憧憬(あこがれ) 千野隆司
阿比留平之助25才は父が亡くなり、北町奉行所の非常取締として四年務め、初めて出来た人足寄場定掛与力として赴任した。平之助は一年前に妻を亡くした。生まれて間もない平太郎は母・いくと妹・明乃17才が育てている。
平之助は人足寄場を作った長谷川平蔵の甥だった。母が平蔵の妹だった。平蔵は五十才。お腹に凝りが出来、痛みを堪えて仕事をしていた。
母親が危篤だと聞いた人足が逃げ出した。平之助は捕まえたが人足は死罪になった。母親は亡くなった。自分は何か出来なかったかと悩む。
盗賊に船頭として雇われた癸助が人足寄場に送られてくる。盗賊との繋がりを調べるために目を離せない。癸助は誰とも交わらない。平之助は癸助の妹を調べる。妹の周りで盗賊たちが蠢いていた。人足寄場に繋ぎの者が送られてき、逃げる用意がされる。決行の時、船に乗り込む癸助を止めると、癸助は殺されそうになる。癸助は逃げずに済んだ。盗賊の仲間は捕まえたが頭の鬼洗いの鉦七は逃がしてしまった。癸助の妹は人足寄場に渡る船着場の前にある一膳飯屋おくにで働くことになった。
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