秋山久蔵御用控 27 夕涼み 藤井邦夫
忠義者 皐月 浪人と旗本の息子の喧嘩の仲裁に入った者が死んだと思われたが、浪人と旗本は仲間で、徒目付組頭をだまし討ちにしていた。徒目付組頭は二千石の旗本の息子の悪業を調べていた。父親は五年前に普請奉行を一年で辞めさせられていた。再びお役に就こうと老中に運動をしていた。捕まった息子は父親に命じられたという。評定所から切腹を命じられ、父親は取り締まり不行き届きで切腹、家名断絶になった。殺された徒目付組頭も中間は旦那様の敵を討とうとした。
夕涼み 水無月 袋物問屋の主・庄兵衛が孫と夕涼みをしていて、猪牙船の舳先に乗る、勘当した息子・文七を見た。弥平次に文七探しを頼む。文七は十年前、浪人・黒崎の娘・袖と駆け落ちしていた。文七と袖は長五郎が取手の織物問屋の主を殺す現場を見たために追われていた。黒崎が長五郎を殺す所を止め、長五郎は死罪になった。身を持ち崩した文七が立ち直ったのは袖のお陰と知った庄兵衛は、文七の勘当を解き、向島の寮で袖を養生させた。
厩河岸 文月 厩河岸に政吉の大工道具と草履が揃えられていた。永代橋の橋脚に袢纏がひっかかっていた。遺体は見付からなかった。政吉は死んだと思わせ、許嫁の敵討ちをしていた。油問屋の若旦那の誘いを断わったことで勾引かされ手込めにされたため首を吊った。政吉は若旦那の取り巻き・遊び人と浪人は殺した。若旦那を囮にし政吉を誘き出す。久蔵は死人の政吉が人を殺せないから、妹を連れて江戸をでて行けという。若旦那は死罪、父親は押し込め五十日、店は戸締め百日となった。
捕物出役 葉月 雲海坊が変化の鶴吉を見た。盗賊の東雲の酉蔵一味だ。探索が始まり鶴吉と一緒にいたりんが見付かる。鶴吉は宗匠姿で大黒屋の番頭に近付き、りんは大黒屋の主人に近付く。鶴吉の家に人が集まる。捕物出役となった。みんな抗った。怪我をし捕縛された。りんは自死した。質屋は故買屋の疑いで調べられた。狙われていたと知り驚いた。
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