御用船捕物帖〈二〉 うたかたの恋 小杉健治
続木音之進29才 22才で船手頭向井将監配下・津南治右衛門の次男が続木家に養子に入った。妻・美鈴17才だった。三年前同心になり、二年前定町廻り同心になった。
多吉 深川熊井町の漁師の子、音之進がいつでも船が使えるよう自腹で船頭として雇っている。泳ぎ競争の幼な馴染み。多吉が一目惚れした相手が音之進の妻になって現れた美鈴だった。多吉は隠している。文と多吉を結婚させようとする話がある。
質屋「井村屋」に盗みに入る計画を立てている者がいる。元井村屋の手代・梅次郎、元軽業師・兵太、錠前破り・銀蔵、船頭・善吉の四人。銀蔵が身請け仕様としている遊女に金をせびる男を殺してしまった。銀蔵は捕まり大番屋に入ってしまった。
鼻緒問屋「沢登屋」の主が殺された。沢登屋の内儀をかわいそうだと思っていた指物師卯助が捕まる。卯助は自分が殺したという。卯助は内儀に嘘を吹き込まれ、主を殺すように仕向けられていた。卯助は一回刺し逃げ、その後内儀の愛人に刺されて亡くなったのだった。卯助と銀蔵は牢の中で話す間柄になっていた。
大名屋敷に付け火があり、牢に火が回りそうになり解き放ちがあった。みんな帰ってきた。卯助は音之進に、主を殺していないことを知らされた。また、銀蔵が帰ってきてから人が変わったようだと告げる。
付け火は梅次郎たちだった。銀蔵の腕が必要なため銀蔵に似た男を替わりに牢に送った。男は火付け盗賊改め方に追われている助三だった。梅次郎たちは質屋に入り二千五百両を盗んだ。身請け金だと渡された遊女は、盗んだ金などいらないと断り、順々と捕まっていく。
鼻緒問屋の主を殺した内儀の愛人は、自分が勝ってにやったことで内儀は知らないことだと言い通した。音之進は内儀にそうすれば店は助かると伝えた。内儀は主の妾の子を養子にし、母親も店に引き取った。
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