2016年11月24日木曜日

神様の御用人

神様の御用人 浅葉なつ
 萩原良彦24は亡くなった祖父の後を継いで神様の御用人になった。社会人野球をしていたが、膝を痛めて野球が出来なくなって会社を辞めた。今はアルバイトをしている。友達の藤波孝太郎は神社の跡取り息子なため、今は良彦の家の近くの大主神社で奉職している。宜之言書(のりとごとのしょ)に現れる神様の所に行き、御用を訊き、用足しをする。
 狐と抹茶パフェ 何が何だか判らないで行った先が方位神のところ。方位神は狐だった。昔は神祭りと言う行為により、人から感謝の心を奉納され神の力は補われていた。そして人は神から恩恵を受けていた。神と人はお互いを生かしめる。そんな関係だった。という。方位神の御用は日本人の子が再び神祭りに目覚め、神に畏怖と敬いを持つようにすることだったが、そんな難しいことは出来ない。パフェを食べたいだろうと言う事になってパフェを食べに行った。こんなことでは済まないという方位神・黄金は良彦のベットで寝ている間に良彦によって右前足の肉球で朱印を捺されてしまった。
 名言スランプ 奈良の葛城の一言主大神の所へ行く。御用のやり直しを要望する黄金は良彦に付き添って、神の話をする。一言主大神は中学生格好で、ゲームをする引きこもりになっていた。小さい時から見守っていた少女が失恋で泣きながらやってきたのに何も言ってやることが出来なくて、がっかりして、引きこもりになっていた。良彦は、あんたはそこにいるだけで、充分優しいんだ。だから彼女はここへ泣きに来た。それでいいんだと諭す。神様とインターネットを繋いでゲームをしている。
 竜神の恋 滋賀県の瀬田川の大神龍王から呼び出される。ボート練習をしていた大学生・結城に身体を踏まれおこっていた。瀬田川でボート練習をしないようにして欲しい。大王竜神は踏まれて昔の橋姫として出会った俵藤太秀郷を思い出してしまったことに怒っていた。天候が変わり結城のボートが荒れる川に残された時、竜王は竜神と化し結城を助けた。大神霊龍王は愛しい人の子孫を見守るのも永きを生きる神の特権と思うようになった。大神霊龍王の名を華という。
 ゆく年くる年 忙しくて黄金は良彦のところにいない。斜め向かいのお婆さんが亡くなり。若い夫婦と一人息子・岡田友弘の家族になった。根引松を飾る良彦の家に自治会長と思しき男性が来る。向かいの家んい根引松が無いことを言いながら帰った。良彦は孝太郎の手伝いをする。家族そろって新年を迎えたいと神様に願う友弘に福引きで貰った卓上ミニ門松セットを送る。家に帰ると友弘の両親が待っていた。夜、黄金と餅を焼いていると、昼間の自治会長らしき人が来る。大年神・歳徳神、新年に福をもたらす年神だった。
宜之言書の大年神の名は黒く墨が入り、門松と根引松を象った朱印が捺されていた。御用は岡田家に依代を飾らせ、福の神として岡田家に寄ることだったようだ。
 
こんな自分でも誰かの役に立つことがあるなら、祖父の『続き』を引き受けてもいいか。と思った。

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