髭麻呂 諸田玲子
髭麻呂 藤原資麻呂24才 検非違使庁に勤める看督長という下位の官人 顔立ちがおっとりしているため、髭をはやしている。母は宮中に務める女官 兄・公麻呂は近衛府の武官で中納言家に婿入りしている。
雀丸 髭麻呂の従者 捨て子だった。12才~15才
梓女 髭麻呂の恋人 祖母と母の三人家族 祖母は調香師、母は音を頼りに装束を作る服飾デザイナー 二人が居るために髭麻呂は婿に入る決断ができない。髭麻呂は二人のお気に入り。
楓館の怪 楓の御方が殺され宝玉が盗まれた。蹴早丸が殺して盗んだことになった。本当は楓のところに通う式部卿が、他の女の娘が舞姫に選ばれたためお金が入り用で楓に無心をしたが、争いになり転んで頭を打ち亡くなった。宝玉を盗んで行ったということだ。梓女の助言で式部卿が宝玉を売ったと思われる商人のところに行くが蹴早丸が先に奪っていた。髭麻呂は蹴早丸の捕縛を命令される
女心の怪 梓女が宮中の女官になった。髭麻呂が忍んで行き、部屋を間違う。帰る時女官がその部屋に入るのを見た。部屋の女官・初音が殺された。梓女は初音が殺されるのを阻止するために宮中に入っていた。歌会で「世のなかに絶えて初音のなかりぜば 春の山里のどけからまし」と読み山里を捕まえた。
月夜の政変 花山天皇が蔵人・藤原道兼と右大臣・兼家の騙しで19才で出家した。髭麻呂は護衛に付いた。騙しを知っていても何も出来ず護衛兵と見ていた。後で護衛兵は蹴早丸だったことが分かる。道兼と満仲の宝玉を縫い付けた石帯を強請りとっていた。
かけがえのないもの 満仲の孫・安麿10才が殺された。孝王丸と常頼も勾引かされている。蹴早丸の仕業と言われた。検非違使の長・尾張義久が次は我が子・義継という。雀丸が義継の代わりに囮になり、蹴早丸に勾引かされる。蹴早丸のところで大勢の孤児たちと働いていた。二人もいたが帰らないという。安麿は蹴早丸ではないという。髭麻呂は安麿を殺した犯人を追う。
烏丸小路の女人 正月に孤児たちの所から帰った二人がまた戻ってきた。孤児たちの小屋を打ち壊された。髭麻呂は孤児たち四十人を自分の家に引き取った。安麿の死の理由をさぐっている。安麿の母・三の御方に安麿が情事を覗き見したために殺されたのかも知れないことを知らせた。三の御方は自殺した。
笙と琴 尾張義久から義則の娘との結婚を強いられる。蹴早丸の御陰で縁談は無くなったが、目の前で琴が盗まれ、笙で昏倒させられた。琴は十八年前に謀反の為太宰府に左遷された源高明の持ち物だった。
香たがえ 三の御方の情事の相手を見付けるために梓女の祖母の手を借り、宮中で香を清める香たがいをすることになった。密会相手は道兼だった。犯人でもなかった。梓女に言い寄る道兼に髭麻呂は自分の妻だと抜刀する。安麿殺した犯人を捕らえたら婿になるという。
鬼法師の正体 ある時は義則の家人、ある時は借家の大家、ある時は商人、丹波の蔵は盗品の山だった。髭麻呂は蹴早丸が現れるといい、検非違使を動かし丹波の屋敷を囲う。蔵は空っぽだった。髭麻呂の兄・近衛武官の藤原公麻呂が左大臣・源雅信の命令で丹波を召し捕りに来た。丹波は盗賊・鬼法師。盗品は尾張義則の屋敷に運び込まれた。盗品を押収したことを伝える。丹波は捕まった。
梓女の祖母は孤児たちに丹波の屋敷の見張りを頼み、蹴早丸が丹波の蔵に目をつけたと噂を流した。思った通り丹波は義則の屋敷にお宝を運び込んだ。雀丸が髭麻呂の母に伝え、左大臣の耳に入れた。左大臣は高明の従兄弟だった。安麿は丹波が三の御方と道兼の表衣を盗んだのを見たために殺された。
蹴早丸は高明の屋敷に火をつけるのを見たために勾引かされ遊女屋に売られていた高明の娘・明子を探し出し、隠していた。蹴早丸は高明の家人の息子・佐藤春道だった。春道は高明の娘・明子を連れて若狭へ帰った。
髭麻呂は婿になった。
孤児たちは満仲の領地摂津に住むことになった。
雀丸は髭麻呂の息子・藤原小麻呂になった。
髭麻呂は
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