風かおる 葉室麟
佐久良菜摘23才黒田藩郡方五十石 渡辺半兵衛の三女、3才の時、竹内佐十郎の養女になる。13才の時、佐十郎が女敵打ちに出るため、実家に戻る。16才(七年前)鍼灸医・蘭方医・佐久良亮に嫁す。亮より医療の手ほどきを受け診療する。一年前、亮は長崎に勉強にいく。
渡辺誠之助 18才 菜摘の弟。菜摘の家の居候
稲葉千沙16才 医師稲葉照庵の娘
女敵打ちから帰って来た佐十郎は、昔の友・嘉村吉衛の妻・多佳が暮らす待月庵で寝込んでいた。女敵打ちの相手・松江に会い、女敵打ち・二人の駆け落ちが何者かに仕組まれていたことが分かり、果たし合いをしようと帰って来ていた。
昔、多佳と佐十郎は結婚するつもりの二人だった。が、兄により多佳は嘉村と結婚した。佐十郎と嘉村が長崎聞役に着いた時、佐十郎は嫉妬のため、嘉村に辛くあたる。他藩の同役も苛めに加わる。他藩の侍のために嘉村は梅毒に罹ってしまう。嘉村や友達は佐十郎のしたことと思い、佐十郎に女敵打ちに出ないとならないように仕組んだ。友達は出世争いから落とすことも考えていた。嘉村はその後、長崎で亡くなる。友達たちは出世していた。そこへ佐十郎が帰って来た。
菜摘は元義父だった佐十郎の果たし合いを止めるため真相を探り、相手を見付けようとする。真相に近づいた横目が殺された。凡の真相を突き止めた亮が長崎より帰る。自分を嵌めた者を討とうとする佐十郎に、多佳は全てを話し、嘉村の代わりに、佐十郎を刺し、その場を離れる。死に際を看取ることは出来ない。佐十郎が死んでから、菜摘たちに真相を話し、佐十郎の横で自死する。
千沙に家老に繋がる藩医の息子との縁談が来る。断わるために長崎の亮の所へ行くという。菜摘も一緒に、誠之助も医師になる勉強をしようと決めてしまう。
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