2015年10月1日木曜日

鬼の大江戸ふしぎ帖

鬼の大江戸ふしぎ帖 鬼が見える 和田はつ子
 鬼が見える 大江戸「町」物語 風 2015年4月26日参照
渡辺源時は妹の勾引かしがあってから鬼が見えるようになった。事件を解決する。
 鬼の声 源時は四天王だが、悪い鬼しか退治しない。鬼と心で話しができる。噺会に行くと席亭の主も、妹・お福の友達も、鼠鬼や兎鬼だった。源時が使う下っ引き・花吉は蚊蜻蛉鬼だった。穂家屋の主が寮で死んでいた。死んだ理由が分からなかった。疑われたのは辛く当たられていた克次だったが、克次は借金を返済してもらい、今は顔を衝立で隠した噺家・希朝になっていた。穂家屋の主は鴬鬼だった。娘を売られ、孫にまで手を出そうとしていることを知った同じ鴬鬼の大番頭に殺されていた。
 源時は祖父の残した書き付けを見る。海老屋の初孫が死んで生まれた時、祖父・八兵衛は死ぬ間際の女から四天王になったら巻き物を渡して欲しいという言葉と共に赤子を託された。八兵衛は源時のために道場に通わせ渡辺綱の末裔を探した。同心だと分かった時、同心株を買い、海老屋の跡取りにするのを諦めた。巻き物には鬼の種類や特性が書かれていた。
 鬼の饗宴 食い逃げをしている権太郎・狼鬼を希朝・時鳥鬼が助けていた。権太郎が怪我をしているのに出会い、稀世に治療を頼む。楽田狼太の知り合いだった。権太郎と美優兄妹が楽田と住むようになる。楽田は盗賊のような狼鬼の宿命が嫌で抑えた生活をしているが、兄妹は自然に生きようと誘う。兄妹は自由に盗賊紛いのことをして生きてきていた。権太郎が殺された。殺したのは仏の安っさんと呼ばれる定町廻り同心・原本安次郎・兎鬼だった。三ヶ月前、医者の勉強に長崎に旅立った弟が権太郎兄妹に殺されていた。原本は美優に噛みつかれ死ぬが遺書が見付かり自死とされる。美優は逃げた。
 鬼が匂う 源時は屏風の向こうの希朝が見えるようになる。
弱い鬼に光米を食べさせて強くし、強い鬼と戦わせるのを見るという遊びを金持ち鬼がしているらしい。時鳥鬼の希朝と狼鬼の楽田が利用される。間際源時が希朝のお腹を押さえ、トカゲを吐き出させ、助ける。源時は鉄砲で撃たれる。稀世の縫合で止血はしたが高熱の状態が続いた。三日目看病する稀世の手の甲から芽が出て花が咲いた。源時の額にかざされた手から密が落ち、源時の熱が引いた。稀世は希少な華鬼だった。

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