2015年10月21日水曜日

鬼役16

鬼役16 一命 坂岡真
 子守り侍 矢背蔵人之介は直太郎という少年に出会う。直太郎は尾張先代藩主の子供だった。伊勢崎新が直太郎を育て守っていた。尾張藩は藩主も代わっていた。誰も知らないはずなのに命を狙われるようになる。裏切られ敵対する者に知られ、伊勢崎は殺される。蔵人之介は裏切った長手助左衛門を討つが、預けられた手紙には田安家への養子に入ることが記されていた。直太郎は田安家に入った。
 鷹の羽 辻斬りの犯人として捕まった船形満は、蔵人之介が跡継ぎにしようとしている卯三郎が兄とも慕う人だった。弟の仇討ちをしようとしていた。松浦家留守居役の鉄砲密輸を調べていた長崎奉行の隠密、密輸を知った船形満の兄、見てしまった商家の主、夜鷹が辻斬りとして殺されていた。松浦家留守居役、韮沢検校、町奉行所吟味方与力、小普請奉行が結託して入れ子捜査をしていた。卯三郎は鬼役を次ぐものとして船形の仇を討つ積もりで、留守居役を斬った。
 藻塩草 望月宗次郎が身請けされた夕霧が不幸だと聞いて帰って来た。夕霧がどこにいるか調べているうちに夕霧の妹分の狭霧が毒殺される。狭霧は贋書きをさせられていた。拒んだために殺されたようだ。同じ仲間に宗次郎が家慶から落胤である証拠にもらった、定家の小倉色紙を狙われる。大奥の敷島までもが現れる。夕霧の居所を調べていた幇間も殺された。吉原の楼主、面番所の同心、小文字屋の灘文が仲間だった。夕霧を東慶寺に訪ねる。夕霧は剃髪していた。宗次郎の母親が三年前まで東慶寺にいたことを伝える。名前は英月。

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