2016年7月10日日曜日

鎌倉河岸捕物控〈二十八の巻〉 

鎌倉河岸捕物控〈二十八の巻〉 吉原詣で 佐伯泰英
 金座裏の宗五郎、八百亀、酒問屋豊島屋の隠居・清蔵、呉服屋松坂屋の隠居・松六が吉原へ行った帰り、浪人の強盗に出会した。模倣犯だった。
 若親分・政治、船頭・彦四郎、独楽鼠の亮吉等で三人組の浪人の強盗を捕まえる。百八十両もの大金を隠し持っていた。夜、大番屋の仮牢から二人のうち一人が仲間と同心と小者を殺して逃げた。逃げた浪人も何者かに殺され見付かった。調べの途中、佃島の安治川糸右衛門一族が船問屋・阿波屋に乗っ取られ、阿波屋のしたい放題になっていることを知る。浪人の強盗も阿波屋がやらしていた。阿波屋の地下蔵に若い娘が閉じ込められていることも判る。用意をし夜、阿波屋と千石船を取り押さえた。
 宗五郎の昔の仲間、宗五郎を嫉妬し憎んでいた猪飼兼道が小町屋兼三と名乗り江戸に現れた。安永七年、二十五年前、兼道19才の時、押し込みで捕まり島送りの途中海に飛び込み逃げていた。奈良や京の寺社仏閣から盗んだ仏像、仏画を骨董商・山城屋で売るつもりだった。捕まった。
 豊島屋の主・十右衛門には京の織り元の娘と文のやり取りがある事がわかった。松坂屋の松六が早速手紙を出す。

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